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第533回 ヘロインとは

2024年04月14日

ヘロインは「薬物の女王」と呼ばれています。

ヘロインは使用するとまず強烈な快感が前進を波打つようにやってきます。それを「全身の細胞一つ一つで性的絶頂を迎えるほどの快感」や「今まで感じたことのない天上の快感」などとも評されます。他にも「生まれてから死ぬまでの全ての快感を超越する快感」「一般的な快感の数万倍の快感」「桃源郷に行ったような快感」などとも表現されます。

ヘロインの一番恐ろしいところは離脱症状です。離脱症状とは薬が切れたときの症状です。快感が最高である分反動も極大で全身の筋肉と関節に激痛が走ります。まさに「天国と地獄」と表されます。また体中に鳥肌が立ち、震えが起こり下痢まで起こします。この状態を「コールド・ターキー(冷たい七面鳥)」と表現します。これらの症状が波はあるが数日以上続きます。快感は強いが離脱症状が辛すぎるので多くの薬物を使用した人でも躊躇するような薬です。

ヘロインはまず芥子という植物の果実にキズをつけます。すると白い乳液が出てくるので、この液体を集めて乾燥させたのが「生アヘン(阿片)」となります。手間が掛かるので化学的処理で取り出す方法もあります。生アヘンは紀元前頃からエジプトやギリシャで鎮痛剤や睡眠薬として使われていました。その後麻酔薬などとして世界中に広がりましたが、最も問題になった問題はアヘン戦争です。19世紀イギリスが中国に阿片を売りまくったのです。すると中国の1/4ほどが依存し、政府が慌てて阿片輸入を禁止しました。すると怒ったイギリス人が戦いを仕掛けて戦争になりました。その後ゼルチュルナーと言う薬剤師が「モルヒネ」と言う物質を抽出したのです。これは「モルフェウス」という夢の神から名付けられたそうです。その後モルヒネからヘロインという薬物が精製されました。このヘロインは「英雄(ヒーロー)」が語源となっているそうです。元々ヘロインは戦争で怪我の痛みの鎮痛剤として使われていました。苦しむ兵士たちにはまさに神や英雄のように感じられたことでしょう。と言っても過剰な使用で依存してしまった兵士もいたようです。

その後研究が続けられ、世界中で末期ガン患者の苦痛の緩和目的でモルヒネが使用されています。実はモルヒネは痛みがない人が快感のために使うと離脱症状が強いのですが、痛みのある人が厳密なコントロールの下で使用すれば依存症状や離脱症状はほとんど起こらないそうです。モルヒネ使用に詳しい医師によるとガン患者はモルヒネで痛みを減らした方が長生きできると述べているように快感のために使用すれば最悪の薬でも、人生最後の患者の苦しみを和らげて少しでも安らぎの中で過ごしてもらうこともできる最高の薬にもなれるのです。

福田

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第532回 清明(せいめい)

2024年03月24日

清明とは「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、「すべてのものが清らかで生き生きしている」という意味です。二十四節気の5番目で、春を6つに分けたうちの5番目の節気。毎年4月5日〜4月19日頃にあたります。
この頃は「清明」の名前の通り、空は青く澄んで気候は温暖になる、まさに清々しい時期。新年度が始まり、新たな環境での生活や仕事がスタートする人も多いですよね。環境に馴染むのにエネルギーをたくさん使うこの時期、動植物の生命力を分けてもらい、清々しい春の息吹を感じながら乗り切りましょう。
あまり馴染みのない「清明」ですが、とても大切な行事が行われる地域があります。中国、台湾、香港などの中華圏では、春分の日から15日目(清明に入る日。毎年4月5日頃)は「清明節(せいめいせつ)」と呼ばれる祝日。この日はお墓を掃除して墓参りをするため、「掃墓節(そうぼせつ)」とも呼ばれています。日本でいう「お盆」に当たる日です。
また沖縄では中国からこの行事が伝わり、清明に「シーミー(またはウーシーミー)」と呼ばれる清明祭が行われます。清明祭では、先祖のお墓に親戚一同が集まり、お墓掃除をしてお供えをしたあと、お墓の前で宴会をします。そのため、沖縄のお墓にはシーミーを催すスペースが設けられているところが多いそうです。
清明の頃には、南東から「清明風」と呼ばれる穏やかな風が吹いてきます。これは、冷たい北風の季節が終わり、春の到来を知らせてくれる風。この時期になると晴れの日は暖かくて湿度も低く、とても過ごしやすくなります。ぜひ木々の緑や色とりどりの花を眺めながら、散策を楽しみましょう。
また、この頃のやわらかく静かに降る雨は、「発火雨(はっかう)」や「桃花(とうか)の雨」などと呼ばれています。桃の花に降る雨が、遠目には火を発しているように見えることが語源だそう。雨の日でも濡れた若葉の緑が清々しく見え、気持ちのいい季節です。
清明は生命力にあふれ、樹木も動物も人も、活力みなぎる時季です。澄んだ大気を思い切り吸い込んで、さぁ、前へ――。そんな時季になるといいですね。
外山

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第531回 コカインとは

2024年03月17日

コカインとはコカの葉を粉末にしたものです。コカの葉は南米アンデス高原の先住民が神聖な植物として噛んだりしていました。噛むことによって気力回復や気力アップの効果があったそうです。

その後にヨーロッパに伝わりワインに入れられ「コカワイン」として爆発的に売れました。実際シャーロック・ホームズが作中で使用していたり、精神医学者のフロイトも絶賛していました。その結果フロイトが処方した患者が依存して亡くなった事もありました。その後フロイトはコカインを勧めなくなったそうです。またアメリカの薬剤師ジョン・ペンバートンはコカインに炭酸などを混ぜて「コカ・コーラ」を作りました。もちろん今は、コカインは入っていません。

コカインの効果としては、まずコカインを吸い込むことで強烈にハイな気持ちになります。覚醒剤のような高揚感に大麻のような多幸感もあり強力な快感です。さらに腕力や知力が高くなったような感覚が得られます。

ただしコカインの効果は驚くほどに短く鼻から粉を吸えば15分、喫煙の場合は5分程度で効果が切れます。そして効果が切れると重い抑うつ感に襲われます。これを通称「ツブレ」と呼ばれています。

その結果何度も何度も摂取する必要があり摂取量がどんどん増えていきます。そのためお金も掛かります。よってコカインはセレブのドラッグと呼ばれているそうです。

また使い続けると幻覚が強く出てきます。特に体に虫がいると思い体をかきむしる人もいます。さらにコカインは「鼻から粉を吸う」と言う人が多いのですが、その刺激で鼻の粘液にダメージを受けて鼻血や鼻水が出やすくなります。さらにダメージが進むと鼻の間に穴が空いてしまうこともあります。

そもそも薬物が何より危険な点は「混ぜもの」です。コカインなど高価なクスリほど混ぜ物を加えて増やせば儲けを増やせます。そして混ぜものですが粉ミルクや小麦粉などならマシな方で、ものによっては洗剤やガラス片などが入っていることもあるそうです。また他の安い薬物が混ぜられていることもあるそうです。その場合吸う危険性が上がるわけです。

すなわち薬物は、単独効果はもちろんのこと混ぜものによってさらに危険なものになっているわけです。

実際に「セレブのドラッグ」という華やかな名称とは裏腹に人生をボロボロにするクスリなので、決して興味本位で手を出さないでください。

福田

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第530回 イドラ 「誤解にはパターンがある」

2024年03月05日

イギリスの哲学者フランシスコ・ベーコンは「物事の正しい知識は実験や注意深い観察から得られるものだ」とする考えである経験主義の哲学者です。

ベーコンは正しい知識を導くことにおいて観察と実験が一番大事と考える一方で、人間の認識と言うのは誤解と偏見であふれており正しい結論が導けないことが多々あります。

では人間が正しく結論を出すにはどうした良いかという事にベーコンが述べたのは、誤解の種類には4つのイドラ(偶像)があるというものでした。

 

・種族のイドラ(自然性質によるイドラ)

いわゆる錯覚の事です。月が高いと小さく見えるが建物の近くまで低くなると大きく見えたり、甘いものを食べた後に果物を食べるといつもより酸っぱく感じたりする事です。

 

・洞窟のイドラ(個人経験によるイドラ)

自分のうけた経験や教育の狭い物差しで物事を決めてしまう誤解です。例えば一度食べた魚がたまたま口に合わなかっただけで、自分は魚類全般が食べれないと思い込むことです。

 

・市場のイドラ(伝聞のイドラ)

言葉の不適切な使用によって起こることです。言い換えれば、噂や伝聞を真実だと思って惑わされることです。例えばどこか出所か分からないSNSの情報をさも真実のように他人に拡散してしまう事です。噂と言うのは人に伝わるたびに噂し甲斐があるように、それが故意的でなくても婉曲されていくものです。

 

・劇場のイドラ(権威によるイドラ)

有名人や自分より偉大な人の主張など権威や伝統を鵜吞みにしてしまう事によって生じる偏見の事です。例えばテレビなどのメディアに出ている有名人が主張していることだから、違いないんだと無批判に信じ込んでしまう事です。

 

これら4つのイドラを知っていると、まず自分が主張する時の根拠となる認識が4つのイドラによって歪められてはいないか。次に他者に反論する際に主張する時の根拠となる前提が4つのイドラによって歪められてはいないか。と確認することができます。

 

例えば、とある子供が魚は刺身の切り身のまま海を泳いでいるのだと主張していたという話があります。その主張の根拠というのがスーパーで売られている「魚」と言われて買うものが刺身の切り身の状態だからです。

これこそ洞窟のイドラであり、その子供にとって「魚」は切り身で泳いでいるのもいるし、開きで泳いでいるのもいるし、通常の状態で泳ぐ種類もいるという認識なのです。

 

ベーコンによると、人間の知性というものはこれらのイドラによって一旦思い込むと、全てのことをそのイドラと整合性が合うように作り上げてしまう性質を持っていると考えられています。このような思い込みは、いくらその考えに対しての反例が多く表れても、それらを無視するか軽視しがちになってしまうという事です。

よって、ベーコンはこの4つのイドラを取り除いて初めて人は正しい知識を導けると説いたのです。

 

藤浪

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第529回 血液銀行開業記念日(血液バンク)

2024年02月25日

1951(昭和26)年2月26日、献血で集められた血液を集め、必要に応じて輸血用血液として供給する「血液銀行(血液バンク)」が日本で初めて設立された日です。
1951年(昭和26年)のこの日、日本初の血液銀行・株式会社日本ブラッドバンク(後のミドリ十字、吉富製薬と合併する等して現在は田辺三菱製薬)が大阪で開業しました。
血液銀行は、献血等により提供者から採取した血液を保存管理して輸血に必要な血液を確保し、必要に応じて供給する機関で、GHQの指示により設置された。翌1952年(昭和27年)に、日本赤十字社も血液銀行を設立しました。
1960年(昭和35年)8月、東京都にて「第8回国際輸血学会」が開催され、この学会にて「保存血の多量使用は肝炎の多発要因になる」との指摘があり、無理な売血による提供者の貧血問題、日本の保存血の大半が売血によって行われていることを、スイス・オランダの学者から取り上げられ、血液銀行の在り方が強く批判されました。
この批判によりマスコミの注目を浴び、金銭を得るために過度の売血を繰り返していた人たちの血液「黄色い血」への関心が高まりました。1964年(昭和39年)8月、閣議決定により、厚生省は「保存血」は「日赤(日本赤十字社)」と「地方自治体」のみが取り扱う旨を全医療機関へ通知しました。
日本ブラッドバンクは、業績の42%を血液銀行部門に頼っていたが、行政指導により血液銀行部門を廃止し、医薬品部門の拡大に特化した「株式会社ミドリ十字」に商号変更。新社名は、創業以来の社章である「緑十字形」にちなんでつけられたものでした。
日本の献血事情ですが、現在日本では献血を行う人が少なくなってきているそうです。しかしアニメや漫画とコラボをして献血してくれた人にグッズや飲み物を差し上げるなどをして献血を行う人を増やしているそうです。日本ならではですね。
外山

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第528回 大麻とは

2024年02月18日

大麻とは大麻草を加工したもので「マリファナ」「ガンジャ」「ハシッシュ」「ハッパ」などの呼び名があります。大麻草はあまりに繁殖力が強く3~4ヶ月で3~4メートルほど成長します。

実際に日本でも各地に生えており布や縄など様々な繊維として使われています。生命力が強いため「神様が宿る草」と考えられていたようです。つまり大麻は米よりも歴史の長い作物だと言えます。

さらに大麻は食用にも使われていて七味唐辛子や鳥のエサなどにも入っています。

戦後アメリカからの指導によって禁止薬物に指定されました。当時の日本政府は大麻=薬物という認識がなかったため驚いたそうです。なので大麻草の農家を守るために「大麻取締法」をつくり大麻栽培を許可制にしました。しかし化学繊維の発達によって繊維としての需要が減ったことと許可基準が厳しいため昭和29年には37313人だったのが平成28年には37人まで激減しています。そして許可を受けた人でも好きに吸ってはいけません。

大麻の依存物質の主成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれるもので大麻草の葉や花穂などを加工して吸います。ちなみにTHCは規制されていますが、これは大麻に100種類以上もある成分の1つに過ぎません。別の成分のCBD(カンナビジオール)はTHCのような精神作用がないためリラックスオイルとして合法に使用することができます。CBDはリラックス効果の他てんかんの抑制をしたという報告もあります。

実際に大麻を吸うとどうなるかというと、まず大麻を使用するとドーパミンが増えますが、覚醒剤とは違い数時間にわたってじんわりとした多幸感に包まれます。さらに感覚が鋭くなるので小さな事にも感動するようになります。そして思考もどんどんスケールが大きくなります。しかしその後、体が重くなり思考が止まってしまうこともあります。また繰り返し使用することで無気力になっていく人もいます。

ただ総じてソフトな効き方なので覚醒剤に比べて使用ハードルも低く世界的にほぼトップで使われる薬物です。世界的には大麻が認められる傾向にありオランダ・イタリア・スペイン・カナダ・アメリカの一部などではほぼ合法化されています。

それだけ合法化されるならなぜ禁止されたのかというと酒とタバコのせいです。そもそもマリファナはメキシコの言葉で「安いタバコ」を意味します。まずアメリカで禁酒法が作られたがすぐに中止されました。しかしそうすると酒を取り締まる警察官が失職してしまうのでかわりになる禁止物を作る必要がありました。タバコは当時多くの白人に消費されていたため貧しく立場が弱かった黒人や貧民層が使用していた大麻(マリファナ)が禁止される事になりました。大麻は他の薬物に比べて害や依存性は低いと言われています。またあまりに使用者が多いため放置すれば非合法組織が儲けすぎてしまうため合法にして政府が管理した方が良いと合法化の動きがあるのです。ただ薬物は薬物なので依存すれば心や生活に悪影響があるので合法な国でも安易な使用はオススメしません。

福田

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第527回 且緩々(しゃかんかん)落ち着いてゆっくり行きましょう

2024年02月04日

現代の私たちの生活は限られた時間に対して消費しきれない膨大なコンテンツに囲まれた生活をしております。

あふれたコンテンツからいかに早急に結果や物事を手に入れるかと考える事が2022年に流行語としてノミネートされた「タイパ」という価値観を重視した生活様式が当たり前になってきました。

 

ドラマやYouTubeなど動画は倍速で視聴したり、倍速でも見てられない場合は動画の山場だけを1分にも満たない時間でまとめた切り抜き動画で消費する。TikTokやYouTube Shortsが流行るのも製作者が現代の消費者を考えた作りとなっているでしょう。

音楽に関してもこの「タイパ」の波が来ております。令和のヒット曲にはイントロの無い曲が多くあります。歌い出しから始まる曲やもっと早いとサビから始まる曲もあります。

音楽のサブスクが普及し、国内外問わず数千万の楽曲をスワイプするだけで聞くことが出来る現代では、スキップされないためにいかに速く聴く人の心を掴むかというタイパという価値観を重視することが不可欠といえるでしょう。

 

且緩々(しゃかんかん)という言葉はこのタイパの時代に逆行する言葉と言えます。

”且”という言葉は「とりあえず」という意味であり、”緩”は「ゆるやか」や「のろい」という意味。

少しでも早く悟りを開こうと矢継ぎ早に質問を繰り返す弟子に師匠である僧が説いたのがこの言葉です。

「ゆっくりやりましょう」と言うのは怠けているわけではありません。焦ることと手を抜かずに取り組むことは違いますし、慌てることと一生懸命なことは違うからです。

現代の速さに流されて焦っていると見落としてしまいそうな事も、この且緩々(しゃかんかん)という言葉で私たちを一旦振り返らせてくれるのではないでしょうか。

 

藤浪

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第526回 昭和基地開設記念日

2024年01月28日

1月29日は昭和基地開設記念日です。
1957年のこの日、日本の南極観測隊が南極・オングル島への上陸に成功し、昭和基地を開設したことを記念しています。
翌年にかけて「国際地球観測年」として世界規模の活動が展開されていて、日本を含む12か国による観測網が展開されました。
現在は、世界の気象観測網の拠点にもなっており、約30名の隊員が1年間観測活動を行う日本の主要基地として、半世紀を超えて維持、管理、運用を続けています。昭和基地には様々な設備が整えられており、インターネットも使えるなど室内では国内とほぼ同じような生活を送ることができます。しかし、屋外は低温と強風の厳しい世界であり、外出の際は必ず無線機を携帯しなければならないといいます。
昭和基地の名は、基地建設が行われた元号にちなんだもので、日本の南極基地としては昭和基地以外にも
みずほ基地
あすか基地
ドームふじ基地
の4基地が展開されています。
南極観測船「宗谷」、飛行機やヘリコプターを使っての調査が行われた。タロとジロの生存(記念日「タロとジロの日」)、宗谷が氷に閉じ込められてソ連船に助けられるなど、多くのドラマがありました。
外山

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第525回 覚醒剤とは

2024年01月21日

日本における懲役者のうち覚醒剤は2番目に多い原因です。特に日本で薬物治療を受ける患者のうち7割ほどが覚醒剤だと言われています。

覚醒剤を打った際の効果は以下の通りです。

まず覚醒剤を静脈に注射するとゾクゾクと冷えるような快感があります。これを寒さのように感じることから「シャブ」と呼ばれる説もあります。快感ホルモンであるドーパミンが過剰に放出され高揚感が生まれます。その結果眠気が減ったり頭が冴えて「覚醒」し仕事や勉強に集中する事もあります。

しかし、それは最初のうちだけで効果が切れればすさまじい疲労感と倦怠感に襲われます。しかもドーパミンはどんどん出づらくなります。その結果薬物の使用量も増えていきます。それでも使用を続けると幻覚や妄想があらわれ錯乱状態になります。

ちなみに覚醒剤はあぶって吸入するという使用方法もあります。この場合注射に比べてソフトに効くため注射に比べて依存しにくいという人もいますが、注射よりも面倒さがないため何度も行ってしまうそうです。加えて量が必要なためお金が高くつき少量で快感を得るために注射に行き着くそうです。よって「シャブ」の由来として「使うと骨の髄までシャブられる」という説もあります。

実は覚醒剤は日本で生まれています。そもそも麻黄という漢方からエフェドリンという喘息の治療薬が生まれました。さらにその課程でメタフェミンという物質ができました。こちらも最初は喘息の治療薬でしたが興奮作用があまりに強く「覚醒剤」として広まったのです。

実際1994年代に「ヒロポン」という名前で市販されています。「ヒロポン」の由来はギリシャ語の「philo ponos(フィロポノス)」こと「仕事熱心」が語源だったそうです。よって仕事のやる気を出すためやうつ病の治療に使われたこともあったそうです。

ヒロポンは戦時中では恐怖を消すために使われ、戦後には軍から大量に流出して多くの覚醒剤依存者が出ました。国は自体を重く見て法律を制定、その結果沈静化しました。これが第一次覚醒剤乱用期です。次は1970年代にオイルショックなどの不況によって収入に困った暴力団が全力で販売を行った第二次覚醒剤乱用期が起こり、1990年代には第三次覚醒剤乱用期が起こりました。

このとき覚醒剤は「スピード」「アイス」「クリスタル」「S」などと呼ばれ、これによってハードルが低くなり広まりやすくなったようです。さらに注射だけでなく「あぶる」吸い方がメインになったため若者を中心に大流行しました。しかし法律や警察の地道な努力によって新規患者数は減ってはいます。ですが減っているのは新規患者のみで一度でも逮捕された人がその後何度も使用してしまうなど年配の依存者が増えています。

覚醒剤は一度でもやったらやめられない魔力があると言えます。

福田

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第524回 『昭和』改元の日

2023年12月24日

  1. 12月25日は「『昭和』改元の日」です。

    1926年(大正15年/昭和元年)のこの日、大正天皇が崩御され、皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が新天皇に即位されました。
    これと共に新しい元号「昭和」が制定されました。
    「昭和」の由来は、中国最古の歴史書『書経』にある「百姓昭明、協和萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す)という一行から上下一文字ずつ取ったもので、国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う意味との事です。
    戦前の旧祝祭日では、大祭日の一つ「大正天皇際」(12月25日)といって大正天皇崩御を祀る日とされていました。
    当時、枢密院議長だった倉富勇三郎の日記によれば、宮内省作成の元号案として「神化」「元化」「昭和」「神和」「同和」「継明」「順明」「明保」「寛安」「元安」があったが、数回の勘申の結果、「昭和」を候補とし、「元化」「同和」を参考とする最終案が決定しました。
    一方、内閣では「立成」「定業」「光文」「章明」「協中」を元号案の候補に挙げていました。
    東京日日新聞(現:毎日新聞)は、早くから「新しい元号は『光文』になるらしい」という情報を得ていたため、政府の公式発表の前に「元号は『光文』に決定」と報じました。
    しかし、政府は元号を「昭和」と発表したため、この「特ダネ」は「大誤報」となってしまい、編集局主幹の城戸元亮(きど もとすけ)は責任をとって辞任したそうです。
    「光文」は新元号の候補の中にあり、「元々『光文』に決定していたものが、新聞で先に報道されてしまったため、政府は『昭和』に急遽変更した」という噂が生まれました。
    日本のクリスマス普及にも関係があり、この翌年に休日法が改正されて大正天皇が崩御された12月25日は「大正天皇祭」として休日に。昭和22年まで休日とされ、その間にクリスマスが定着したそうです。
    昭和の時代は日本の歴代元号で最も長く、昭和天皇の在位期間である1926年から1989年(昭和64年)まで。その後、1989年1月7日に昭和天皇が崩御され、今上天皇が即位された翌日に「平成」へ改元されました。
    平成から現在の令和、昔とはだいぶ変わりましたが、一日一日を大切にしていきたいと思います。

今年も残りわずかとなってまいりました。皆様にとってたくさんの幸せが訪れる一年でありますように 。良いお年をお迎えください。
外山

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過去の日記

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