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第229回 世界遺産とは

2018年02月25日

世界遺産とは、「顕著な普遍的価値」をもつ自然や文化財を、世界遺産条約に基づき「世界遺産リスト」に記載して国際的に守ってゆくもののことです。世界遺産は、人類や地球の長い歴史の中で生まれ、受け継がれてきた「人類共通の宝物」です。宝物である世界遺産を、紛争や開発、自然環境破壊などから守り、次の世代へと残してゆくことは、自分たちの文化について理解を深めるだけでなく、地球環境を守り、人々が互いに尊重しあう平和な世界を目指すことと繋がっているのです。
そもそも、世界遺産条約の理念が誕生するきっかけとなったのは、1960年にエジプトのナイル川で始まったアスワン・ハイ・ダムの建設とされています。「エジプトはナイルのたまもの」という言葉でも有名なナイル川は、毎年定期的な洪水と氾濫を引き起こすことで流域に肥沃な耕地を生み出し、古代エジプト文明が生まれました。しかし現代において、エジプトのナセル大統領は、人々の安全と生活向上のために、ナイル川の氾濫を防止し、安定した電力を供給する国家事業であるアスワン・ハイ・ダムの建設を決定します。
ところがそのダムが完成すると、古代エジプト文明の遺産である「アブシンベル神殿」がダム湖に水没してしまいます。そこでユネスコは、経済開発と遺産保護の両立という難題に取り組むべく、遺跡群救済キャンペーンを開始しました。
そして当時のフランス文化大臣がユネスコ会議で行った、「世界文明の1ページを刻む芸術は、分割できない我々の遺産である」という演説が、のちの世界遺産の理念へと繋がっていきました。
また、アブシンベル神殿は、世界中から知恵とお金が集結し、遺跡をサイコロ状のブロックに分割して約60メートル上の丘に移築することで守られました。
遺跡とは、民族や国家を超えて大切に守り継がれてゆくものです。その考え方がとても素敵だなと感じました。世界中の優れた遺産を、私もこの目で見てみたいです。

加藤

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