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第231回 生老病死の変化

2018年03月11日

人はこの世に生まれ、老い、死んでいきます。そしてあの世へと赴いていきます。この世に生を受けてから、人には様々な”通過儀礼”というお祝い事が待ち受けています。お宮参りや七五三といったお祝いがその例ですが、これは出産が産婦の生死に関わる困難なものであったばかりではなく、乳幼児の死亡率が極めて高かったため、神仏の力を頼り、子供の成長を願ったのです。

そして子供たちは学校という隔離された世界で社会的なマナーやルール、学問を学びやがて大人になっていきます。二十歳になると成人を迎えますが、成人を迎えたあとは特に”通過儀礼”はありません。成人で大人の仲間入りを果たしたら、あとは老いていくだけです。その間に結婚や出産を迎えたり、親の米寿や葬儀などの老いの儀礼を自らしていくことになります。

現代では医療の発達により『人の死が管理される時代』になりました。昔は自宅の布団で家族を看取り、通夜と葬儀を行っていました。しかし、現代では家族を看取るのは病院のベッドで、それどころか看取ることも看取られることもできないまま、孤独に死んでいくケースが増えてきました。儀礼として残っているのは通夜や葬儀といった形式的なものだけで、死者と生者の関係が疎遠になってきています。今後もこの関係性は疎遠になっていくと思いますし、死者儀礼は行われても、先祖祭祀は形骸化していくでしょう。

お墓についてもそうで、埋葬が多様化した現代では、墓地に関しても多様化しています。都会だと共同墓地というのが主流になってきていますし、故人のお墓を代々家で管理していくという伝統も失われつつあります。そういった死生観の変化の中で、どのように老いて死んでいくのか、これからの社会にあった”終活”を考えていくことが大切になんだと思います。

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