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第234回 ハレとケ

2018年04月09日

「ハレとケ」とは、柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつです。 民俗学や文化人類学において「ハレとケ」という場合、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケ(褻)は普段の生活である「日常」を表しています。 もともとハレとは、折り目・節目を指す概念であり、ハレの語源は「晴れ」で、「晴れの舞台」(=生涯に一度ほどの大事な場面)、「晴れ着」(=折り目・節目の儀礼で着用する衣服)などの言い回しで使用されています。これ対し普段着を「ケ着」というそうで、明治以降から言葉として使用されなくなりました。

また、現代では単に天気が良いことを「晴れ」といいますが、江戸時代まで遡ると、長雨が続いた後に天気が回復し、晴れ間がさしたような節目に当たる日についてのみ「晴れ」と記した記録があるそうです。 また、ハレの日には、餅、赤飯、白米、尾頭つきの魚、酒などが飲食されていましたが、これらはかつて日常的に飲食されたものではありませんでした。また、そのための器もハレの日用であり、日常的には用いられなかったそうです。

こうして考えると、「ハレ」と「ケ」という言葉は、「ハレ」だけがその意味や文化を伴って現代まで残っていますが、「ケ」については時代が進むにつれて言葉そのものが衰退してしまっています。とはいえ、今でも結婚式の日は大安を選ぶなど、習慣が根付いているのも事実なので、今一度日本の文化や習わしについて見直してみるのもいいかもしれません。

岡田

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