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第259回 江戸の夏

2018年08月05日

今年の夏はエアコンが欠かせないほどの猛暑ですがエアコンを使っているとどうしても電気代がきになってしまいますよね。そこで気になるのは昔の人はどう生活していたか。江戸時代にはもちろん、エアコンはなかった。それでも、暑い夏をしのぐ“涼を取る工夫”をいろいろとしていた。そうした工夫のいくつかは、今の時代にも受け継がれている。実は当時人気の歌舞伎の演出にも、涼を取る工夫があった。歌舞伎「夏祭浪花鑑」を例に、江戸時代の人たちの涼を取る知恵を調べてみました。

江戸時代は、自然の風や水を活かして涼を呼んでいました。

日中は夏の日差しを葦簀(よしず)で遮りながら、打ち水をして涼しい風が室内を通るように工夫した。見た目にも涼しいように、鉢にたっぷりの水を入れて中を泳ぐ金魚を鑑賞したり、水の中に浮かべて冷やした夏野菜やスイカなどを食べたりと、水をうまく活用することで少しでも涼しく感じるように工夫した。

それでも日中は暑いので、一日ごとに稼ぐ職人などの庶民は、ずる休みをしてふて寝をしたり、湯屋でぐずぐず時間をつぶしたりということも。落語に登場する長屋の連中は、たいがいがそういうことをしている。

そして、涼を求めて皆が集まるのが水辺。川のほとりや池の周りをそぞろ歩いて、そこを吹く涼しい風に当たったり、「滝浴み(たきあみ)」をしたりした。滝浴みは、滝に打たれたり、滝を眺めて楽しんだり、その川の水で遊んだりして涼を求めること。江戸時代は、王子にいくつかある滝に行楽を兼ねて出かけるのが流行っていたようです。

そして、江戸時代は蛍狩りなどが盛んに行われていたので、自ら捕まえたのかもしれないが、四季を楽しむ江戸っ子のために「虫売り」という商売もあったので、買った可能性が高いだろう。見て楽しむ蛍や耳で楽しむ鈴虫、コオロギなどを売り歩いていたという。

エアコンのなかった江戸時代は、自然と共生して涼を取っていた。そうした知恵は、今の時代でも活用できるものが多い。先人の知恵を活かして、今年の暑い夏を涼しげな工夫で乗り切ってみるのはいかがでしょうか。

本田

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