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第440回「類似性」と「相補性」

2022年01月23日

人間は、初対面の時に、意識的にも無意識的にも、ぱっと「人物鑑定」をするものです。「なんか、この人とはうまくやれそう!」「いい感じの人ね〜」
「この人とは相性がよさそう!」そんな風に「好印象」を抱くケースもあれば、反対もあります。「ちょっとこの人とは合わないかな」「どうも苦手なタイプっぽいな…」「この人、無理!」こんな風に、否定的にとらえることもあります。人には、どうにもこうにも「好き嫌い」があるものです。どんな人にも何歳になっても、好き嫌いはあります。
「性格が合う・合わない」「好きなタイプ・苦手なタイプ」。言い方はいろいろとありますが、ある人に好印象を抱くか否かは、「相性」の問題が深く関わっています。どんな人に対しても、苦手意識をもたず接することができたら理想です。多くの人にとって「相性」「好き嫌い」の問題は、どうしてもつきまといますし、「好き嫌い」があるのは、むしろ普通のことです。
「類似性」:自分と他者の性格、体格、価値観など、ある要素が似ている。
「相補性」:自分と他者のある要素は異なるが、補いあえる関係にある。
「似ている」から好きになる(類似性)こともあれば、「似ていないから」好きになる(相補性)こともあります。
「似た者夫婦」という言葉があります。
性格・価値観・趣味などが同じ夫婦は、互いを理解しやすく、一般的に、結婚生活が長続きすると言われます。また、夫婦生活を続けていくなかで、だんだんと趣向が似てくる際にも「似た者夫婦」といいますね。いずれしても、「似ている」(類似性)ことに関する人間関係の機微を表現した言葉です。
「類は友を呼ぶ」ともいいます。
「気の合った者や似通った者は自然に寄り集まる」です。まさに「類似性」のことです。お酒が好きな者同士であれば「飲み仲間」となるでしょう。でも、お酒もお酒の席も苦手であれば、その「飲み仲間」を好きになれず、遠ざかるかもしれません。
出身地、出身校が同じ。ゴルフ、釣り、山登り、音楽、映画など趣味が一緒。何らかの共通点があると、人は引かれ合います。のんびりしている人は、のんびりしている人が好きで、几帳面な人は、几帳面な人が好きになる傾向があります。似ていることで安心するのです。
「相補性」は、相手が自分とは違っていて、お互いに補いあえる関係のことです。「自分にないものを持っているから好き」が「相補性」です。
人は「自分に足りないものをもっている人を求める」傾向があります。背の低い女性が、背の高い男性に憧れ好きになったとしたら、これは相補性の典型例です。「性格が正反対なのに、妙に仲がいい」という友達や知り合いがいませんでしょうか。
「強気の人」と「弱気の人」
「おおざっぱな人」と「細かい人」
「気の短い人」と「のんびり屋さん」
夫婦関係でも、ちょっとだらしない旦那さんに、しっかりものの奥様というのは、よくあるパターンですね。性格が違い、言い争いも多いので「合わないのでは?」「いずれ離婚する」と思うものの、互いを必要としあってるため、結婚生活が長続きしています。しっかりものの奥様は、神経質なところがあって、のんびりしている旦那さんに助けられています。反対に、だらしない旦那さんは、細かいところに気づいてくれる奥様がいないと困るのです。
お互い「違う」から、互いの欠点を埋め合わせることができます。欠点を補いあえる互いを必要とする関係だから「好意」が生まれます。
喧嘩ばかりしているけど「本当は仲がいい」のは、「相補性」が働いてるパターンです。「喧嘩する夫婦ほど仲がいい」とは、よくいったものです。凸凹は、ふたつが組み合わさって完成します。互いに違うからこそ、ひとつになれるのです。相互補完の関係にあるから互いを好きになる。これが「相補性」です。
「類似性」「相補性」は、人を好きになる要因として、よくあげられます。人は、他者を通して、自分を成長させることのできる存在です。「好きな人」「嫌いな人」、いずれかの人からも学ぶことができます。
外山

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