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2024年08月18日
もし目の前で老人が倒れそうになったらどうしますか。助けるだろうと思います。そして助けた後は良いことをしたと幸福感を感じると思います。
人間は「他人のために行動したい」と言う本能があり、それを実行できたときに何より充実感を抱くようにできています。
だからといって困っている老人を助けるために日本中を回ったりする人はいません。この理由はシンプルに「目の前にいない」からです。人間にとって「目の前にあるかないか」は大きな意味を持ちます。
ダイエット中の人がわざわざケーキを買いに行って食べたりはしませんが、目の前に置かれると食べたくなるのに似ています。
これらから人間は「他人のため」かつ「目の前にいる」場合に最大のエネルギーを湧かせます。薬物などの依存物質にハマっているとき間違いなく「自分の快感のため」に使用しているはずです。しかし一度、他人のためにいったん辞めてみてください。あなたが薬物をしようすることで確実に苦しむ「他人」がいます。しかもその人物は間違いなく目の前にいます。
この他人とは「老人になったあなた自身」です。
薬物は体をむしばみ、人を弱らせます。結果、老人になった時はもちろん未来のあなたは確実に苦しむことになります。それは「自分」でありつつ同時に「他人」であり、確実に助けたくなる弱っている老人だと考えられます。多くの薬物依存者が見て見ぬふりをしているだけで、想像すればいつでも目の前に浮かぶはずです。特に離脱症状が苦しいときは、より薬物を使いたくなるでしょう。しかしそれは今の楽さのかわりに「老人の自分」に苦しみを押しつけているのと同じです。
「老人の自分」を苦しみから救うためと思えば今の苦しみを耐えやすくなりませんか。これは薬物以外でも同じ事です。依存行為は今の苦しみを消すわけではなくただ先送りにしているだけです。たとえ老人ではなくても「未来の自分」という「他人」はより苦しむことになります。
つまり「依存を今少しだけ我慢する」と言うことは未来の自分を助ける事に繋がるわけです。こう思えば「ただ漠然と我慢する」よりもやりやすくなりませんか。
逆に「今、何かを頑張る」と言うことは未来の自分を助けると言うことにもなります。
未来のため、今を捨てることになるから「自己犠牲」になるのではと思うかもしれませんが、そんなことはありません。なぜなら「あなた自身の」ためであるからです。さらに「今を捨てる」わけでもありません。なぜなら「誰かのために頑張る」ことは人にとって最大の充実感になるからです。さらに言えば、今あなたが持っているもの全ては過去のあなたが頑張ったからです。今のあなたが生きているのも過去のあなたが生き抜いたからです。気づいてないだけで過去のあなたが今のあなたにたくさんのことをしてきてくれたからです。同じものを未来のあなたに渡してあげれば良いのです。
福田