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第540回 聴雨寒更盡 開門落葉多

2024年12月06日

聴雨寒更盡(あめをきいてかんこうつく)開門落葉多(もんをひらけばらくようおおし)と読み、

屋根にあたる雨の音を聴いていると、寒さが一層増す夜を過ごしていましたが、翌朝、門を開いてみると、落ち葉が一面に落ちていました。という内容の禅語です。

 

昨晩、雨かと思っていた音は、実は葉の落ちる音だったということです。

このような叙景を禅では、現成(げんじょう)という言葉で表現されます。

現成とは、眼前に隠れることなく、ありのまま現れていること。 自然にできあがっていること。

つまり、自然の摂理が仏法そのものということです。

晩秋から初冬に茶掛け軸として掛けられるところもあるそうです。

 

禅語の多くは漢語で書かれており現代の我々では読むのは難しいですが、

時代が進みこれを元にした和歌が詠まれました。

 

「秋の夜に雨と聴こえて降りつるは風にみだるる紅葉なりけり」

『拾遺集』紀貫之

 

紀貫之が秋の夜に紅葉乱れ散る風情と、艶なる女の悶えを詠んだ歌と2つの意味があるとの事ですが、和歌ともなれば読むどころか詠むのも難しいです。

藤浪

 

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