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2015年10月20日
「バカをつくる学校-義務教育には秘密がある」という本を書いたジョン・テイラー・ガットという人物がいる。
ガットによると義務教育が誕生したのは1850年頃のマサチューセッツ州で、その目的は、「大衆を厳しく管理すること」だったという。「支配階級」だけに自立と個性が許され、それ以外の大衆は問題にされない教育によって、「大人の世界に無関心になる」「集中力がほとんどなくなって、あっても長続きしない」「物質主義になる」「依存的で受け身で、新しい挑戦に憶病になる」ような子供に教育されるというのである。
義務教育はプロセインの「国家と産業に民衆を奉仕させる」教育システムに減を発しており、それをまずアメリカが導入し、それが明治日本と中国、ロシアにも輸出されたのだという。
この背景には、大衆というものは本質的には無知な存在であり、「人間は生まれながら権利を有する」というアメリカの建国の父の一人であるトマス・ジェファーソンの抱いた古典的な民主主義の考え方を完全に捨て去ったアメリカの一部のエリート層の自己正当化があった。
「すぐれた知的エリートが大衆を正しい方向に誘導してやる必要がある」-これは、つまり逆に言えば、「大衆というのはどうしようもない馬鹿で、放っておけば反乱を起こし支配階級を揺るがしかねない」ということである。