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第89回 ダニング・クルーガー効果

2016年05月22日

ダニング・クルーガー効果とはコーネル大学の心理学者ダニングと教え子のジャスティン・クルーガーが発表した効果で「無知な人ほど自分の無知を認識できずそのため自信満々に振る舞う」と言うものです。言い方を変えると馬鹿ほど自信にあふれているということになります。これだけを聞くと恥ずかしい人だと思うかもしれませんが、その自信自体は決して悪い事ではない場合もあります。

例えばあなたが何か新しい事を始めようとした時に何よりも先に多くの知識を入れたがることはありませんか。そういった人の中には学べば学ぶほど「自分の考え方が甘かった」「この程度のレベルでは成功なんてしない」と言うように新しく始めるための準備によって逆に行動するパワーを失ってしまった経験があるかもしれません。もちろん知識はないよりもあった方が良いに決まっています。しかし、行動する前にまず知識をと考えることが行動に移せない原因になることがあります。実際に、世の中の成功者が万全の状態でスタートしたわけではなく、始める前は甘く考えて行動し、行動に移してから大変さを知ったという人もいます。そういった人たちがもし行動を移す前に大変さを知っていたら実際に行動に移せていなかったかもしれません。

実際の例として、「小説家になりたい。そのために小説の書き方講座に通っている」ということがあったそうです。小説家になりたいというのは、つまり書きたいことや表現したいことがあるから小説家を目指すのではと思われます。なので、まず先にそれを形にすることが大切なんだと思われます。ですが、小説家の書き方講座に通うというのは自分の考えを形にすることよりも、上手く文章を書きたい、恥ずかしい文章を書きたくないという思いの表れなのではないでしょうか。実際に小説家を目指したその人は講座が終わるまで作品を作る事がなかったそうです。その後も下手な文章を書いて恥をかきたくないという無意識な恐れからいつまでたっても小説を書き上げる事はなかったそうです。なので、恥をかいてもどんな評価を受けたとしてもとにかくまず始めに作品を完成させ、発表してみる事が今回の話で必要だったのではないかと思います。

勉強などは始めてから並行して行うことができるので、「とにかく何かをする前には知識や勉強を」「万全の準備をしてから始めよう」と考えず、まず行動をしてみることが大切なんだと思います。そしてダニング・クルーガー効果に陥らないために常に学ぶ姿勢を持ち、一般人である自分たちの知識はネットや本から得た物なので偏った知識になってしまうことを理解する事で、自分の無知を正確に認識し、根拠のない自信を裏付けされた本物の自信に変えていくことが大切になります。

福田

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