ページの先頭へ

第99回 セルフ・ハンディキャッピング

2016年07月24日

セルフ・ハンディキャッピングとは自分にとって不利なことをわざわざ行ったり行動したりすることを指します。例えとしては「私、バカだから」と言う人などがこれに当たります。

セルフ・ハンディギャップについて心理学者のバーグラスがある実験を行いました。実験対象者に難しい課題を解いてもらうことを伝えました。その後、問題を解く前にAとBのどちらかの薬を飲んでもらいました。AとBの薬は、Aが「一時的に能力を高くする薬」で、Bは「一時的に能力を低くする薬」だと実験対象者に伝えました。もちろんAとBの薬はただの水なので能力を上げ下げすることはできません。この実験で課題を解くのに自信がない人ほどBの能力を低くする薬を選ぶことが多かったそうです。

Bの薬を選ぶ人が多かった理由は、失敗しても薬のせいにできるからです。つまりセルフ・ハンディキャッピングとはダメだったときの言い訳を作ることのことを指します。さらにBの薬を飲む人が多かった理由としてはどちらにしても得だからというのもあります。今回の実験でいえば、課題が解けなかった場合では、「薬のせいで能力が下がったからできなかったんだ」という言い訳ができます。課題が解けた場合では、「薬のせいで能力が下がっているのに課題が解けたよ。自分ってすごいんだ」というように成功の価値を高めることができるので、自分を低くすることで成功しても失敗しても得な結果になるようにできるからです。

しかし、多くの調査でセルフ・ハンディキャッピングをする人はしていない人と比較して成功の確率が下がってしまったという報告があります。これは「どうせ言い訳ができるから負けても大丈夫」という思いから必死さがなくなってしまったのが原因だと考えられています。つまり、セルフ・ハンディキャッピングをするということはどのような結果になっても得をするのではなく、成功する確率を下げてしまっているだけということになります。もし自分が本当に成功したいと思うなら、大切なことは「過去に受けた仕打ちのせいで」「あの人のせいで私はダメなんだ」「自分は頭がよくないし」などと言うような自分自身を下げる評価や自分の過去や生活環境を言い訳にすることで逃げ道を作ってしまい、気持ちまでどんどん逃げ出そうとするのを防ぐために言い訳をするのを少しだけでもやめてみてどんなことでも構わないので全力で取り組んでみることが大切になります。

福田

記事を共有するShare on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin

過去の日記

TEL
0562-93-5561

株式会社 藤榮

〒470-1144
愛知県豊明市阿野町稲葉74-46

TEL:
0562-93-5561
FAX:
0562-93-0211

kitchen@fuji-advance.co.jp