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第131回 記憶のメカニズム

2016年10月22日

一度学んで頭に入れたことも、しばらく放っておくとさっぱり忘れてしまうというのはよくあることでしょう。19世紀後半ドイツの心理学者エビングハウスは、自ら被験者となって時間経過による記憶の定着率を測定しました。彼は無意味な言葉を暗記して、その後時間の経過とともにどのくらい想起できるかをグラフ化したのです。忘却曲線と呼ばれるそのグラフによると、暗記したその20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、そして1ヶ月後には79%忘れてしまうという結果になりました。1日も経てば7割以上のことが記憶から消去されてしまうのです。人間の脳は進化の過程で「忘れて脳を整理する」ことを覚えましたが、ゆえに人間は覚えた事をすぐに忘れてしまうのです。

では忘れないようにするためにはどうしたら良いでしょうか。それには復習が最も大切になってきます。半分くらい忘れた頃にもう一度記憶しなおすことによって、それまでよりも長い期間、記憶を保持していられるようになります。勉強した内容を1日で74%忘れていたのですが、復習することによって、74%忘れるまでの時間が圧倒的に伸び、1ヶ月程度記憶していられるようになります。忘れたら復習、また忘れたら復習と同じことを繰り返す事で、最終的には、忘れるまでのスパンがどんどん伸びていくのです。

しかし復習と言っても、知識を何度も頭にインプットするだけではあまり効果がありません。もちろんインプットも大切ですが、それだけでなく、アウトプットすることも記憶力に大きな効果があります。例えば自分が学習していることを家族や知人に話すには、自分がその内容をきちんと理解していることと記憶を思い出すことが必要となります。アウトプットするとき、私たちは記憶を参照して情報を取り出そうとします。何度も情報を出し入れすることで、記憶が鍛えられてより強固になるのです。インプットとアウトプットを繰り返し学習とは、暗記と問題演習の繰り返し学習とも言えます。

人間は忘れる生き物であるがゆえに、復習することが必要不可欠となってくるのです。

近藤

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