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2018年01月07日
笑いの健康効果については、いろいろな研究がされている。
中高年の糖尿病患者に、1日目は糖尿病についての単調な講義を受け、2日目には吉本興業の芸人による漫才を鑑賞して大笑いした。
そして、いずれの日も食事から2時間後に採血をして、血糖値がどのくらい上がったかを調べた。
その結果、講義を聞いた日の食後血糖値は平均で123mg/dL上がったのに対し、漫才を鑑賞した日は77mg/dLの上昇だった。
つまり、漫才で爆笑した日は講義を聞いた日に比べ、食後血糖値の上昇が46mg/dLも抑えられていたのだ。
また、がん細胞などを殺す「NK(ナチュラルキラー)細胞」を調べたところ、大笑いした後は、
もともとNK細胞の働きが低い人は高くなり、高すぎた人は低くなって、適正な状態に落ち着いていた。
笑いは、喜びや楽しみ、心地よさ、満足感といった“快”の感情が表に現れ出たもの。
そういった前向きな心の状態が身体によい影響を及ぼすことがわかった。
笑いは体と心に効く。家族や友人同士で冗談を言い合って笑うもよし、漫才や落語で爆笑するもよし、
飲み会やカラオケで大笑いするもよし。楽しい“快”の感情が増えれば、緊張もほぐれ、人間関係も潤う。
ただ、そうは言ってもなかなか笑えないという日もあるだろう。そんな時にぜひ試してほしいのが、“作り笑顔”だ。
笑うと、口角を上げる大頬骨筋(だいきょうこつきん)や目の周りの眼輪筋(がんりんきん)などの表情筋が動いて、
笑顔ができる。別に楽しいことがなくても、この表情を作るだけで脳は笑っていると錯覚し、気分がほぐれてきます。
箸を歯で横にくわえて、“作り笑顔”をするだけでも、脳のドーパミン系の神経活動が活発になって、快の感情が引き起こされたという報告もあります。
『幸福論』を書いたフランスの哲学者・アランは、こんな言葉を残した。「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」。
これは医学的にも正しい。人生、笑ったもの勝ちである。
中村