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第283回 自然遺産ヴィクトリアの滝

2019年01月28日

ヴィクトリアの滝は、ジンバブエとザンビアの国境地帯、ザンベジ川中流域にあり、「イグアスの滝」(アルゼンチン/ブラジル)、ナイアガラの滝(アメリカ/カナダ)と並ぶ世界三大瀑布のひとつです。ザンベジ川の水の重さで大地に亀裂が生じ、そこから落下した水によって大瀑布が形成されたとされています。以来、水流が川底を侵食し続け、現在の滝の位置は当初より約80kmも上流に移動しています。
1855年、この滝に到達したイギリスの探検家デビッド・リヴィングストンが、母国の女王にちなんで「ヴィクトリア」と命名したことでから現在の名前で親しまれています。それ以前は、現地の人々の間では「モシ・オ・トゥニャ(雷鳴の轟く水煙)」と呼ばれ、畏怖の対象だったとされています。雨季の増水期には、幅約2km、落差110~150mの滝を毎分5億ℓの水が落下し、巨大なカーテン状となり水煙をあげます。一方で乾季には、毎分1000ℓまで水量が減少することもあります。
一帯は滝の水煙に潤され、雨季と乾季を繰り返すサバンナ地帯であるにもかかわらず、900種類以上の植物が生息します。水と豊かな植物を求めてカバの群れや鳥類、ジンバブエの国獣であるウシ科のセーブルアンテロープなどの動物が暮らす一方、滝が魚の移動を遮るため、滝の上流や中流で全く異なる種類の魚が生息しているそうです。
下流にはジグザグ状の険しい渓谷がありますが、これはかつての滝のあとです。長い歳月の間に川の浸食によって滝は少しずつ上流へと移動してきました。現在あるのは8つ目の滝ですが、それも数万年後には姿を消し、また上流に新たな滝が誕生するとも言われています。地球の創世を思わせるこの“滝の化石”は、時代とともに生まれ変わり、私たちに壮大な自然の歴史を教えてくれています。
加藤

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