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2022年12月04日
映画母性を見て来ました。あらすじとしては、
女子高生が転落死する事件が発生。
その原因を探っていた教師の清佳(永野芽郁)は、自身の過去を振り返っていく。彼女は母親・ルミ子(戸田恵梨香)の愛を受けられず、人知れず悩みを抱えた少女時代を過ごしてきた。
一方、別の場所ではルミ子が娘との関係について、神父に告白する。ルミ子は、自身の母(大地真央)から受けてきた無償の愛を、そのまま清佳に注いできたと証言。
しかし、両者の回想は徐々に食い違いが生じていき、日常に潜んだ壮絶な過去が明らかになっていく……。といった内容になっています。
タイトルにもあるように、この映画は徹底的なまでに母性を描いている作品となっていますが母と子の幸せな光景が見えることはなく禍々しいシーンが続いていく形となっていました。
物語の構成としては、「ルミ子の視点」と「清佳の視点」から田所家の日常が描かれており、同じ光景が2度描かれています。
しかし両者の視点では少しずつ異なっており、どちらが真実なのかわかない為、観る人によって解釈が変わってくるのが醍醐味だと思いました。
ルミ子は母親に病的に依存しており、喜んでもらう為に母親が褒めた絵を描いた人を夫にしたり、自分が母親に褒めて貰うために娘も利用するように見えました。
清佳が自殺未遂をした時に見せた母性に見えたものも、母の最期の言葉に「私の代わりに娘を愛せ」という母の命を未来へ繋げていく使命を背負わされたと感じており、死んでしまっては都合が悪いのです。
ルミ子は娘が死に直面している瞬間でも、やはり母性が芽生えなかったと考えると恐ろしいと思いました。
また母親が亡くなってからのルミ子は義母に娘として認めて貰おうとするも、義母からの激しい嫁いびりに四苦八苦しますが、最後の義母の娘の部屋へ帰って行くシーンで娘しての地位を確立したと解釈できました。
原作の湊かなえさんの作品の映画はほかにもあるのでこれを機に他も鑑賞してみたいと思います。
藤浪