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2023年02月12日
江戸時代まで公的に苗字を使っていたのは貴族と武士だけだったが、明治維新後の新政府は四民平等の社会を実現するため1870年(明治3年)9月19日、平民が苗字を名乗ることを許可する「平民苗字許可令」という太政官布告が出されました。
しかし読み書きが苦手の人が多く、当時国民は明治新政府を信用しておらず苗字を付けたらそれだけ税金を課せられるのではないかと警戒したため、なかなか広まらなかった。
そこで、1875年(明治8年)2月13日、「平民も必ず姓を称し、不詳のものは新たにつけるように」と苗字を名乗ることを義務づける「平民苗字必称義務令」という太政官布告が出されました。
この布告令には、「自今必ず苗字を相唱うべく、もっとも祖先以来の苗字不分明の向は新たに苗字を設くべし」と記されています。つまり、「これからは必ず苗字を名乗りなさい。祖先以来の苗字が分からない者は、新たに苗字をつけなさい」というのです。
政府による苗字公称の強制は、各方面に混乱をもたらしました。寺に頼み込んで苗字をつけてもらったり、役場総がかりで全世帯の苗字をつくったという例も記録されています。