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第492回 神は死んだ

2023年02月19日

ニーチェの言葉に「神は死んだ」というのがあります。なぜ死んだと言ったのか。それは、ニーチェは神が殺されたと考えたからです。

ニーチェは、神を殺したのは我々人間であると断言しています。科学や文明の発展により心から神を信じる人がどんどん減っていきました。それもあり「能力の高さより善人であるべき」「迫害に耐えることで天国に行ける」と本気で考える人も減りました。だからこそ「神は死んだと」言ったのです。

それ以前に人間には「人より上に立ちたい」「優れた人間になりたい」と思う本能があります。だからこそ多くの人は、成功しなくて良い人を傷つけないことが一番という「奴隷道徳」と本当は成功したいという「貴族道徳」という二つの道徳に挟まれ苦しんで生きているのです。

「弱者を一瞬でも攻撃したら生きる価値すらない」とまで過剰に叩く人がいます。彼らは「弱者を守る」と言う名目をタテに「自分が少しでも上に立ちたい」という欲求を満たしているのです。

それなら奴隷道徳と貴族道徳のどちらも目指すのはと考えるかもしれなせんが、みんながそれをできれば苦労はしません。そしてネットの発達で誰もが色々な人の価値観を知ることができるようになったため、多すぎる価値観に混乱しているのです。

ゆえに人間は神を信じる気持ちが薄れていき我々の中から神がいなくなっていったのです。

これがニーチェの言った「神が死んだ」です。

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