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2023年09月04日
自然淘汰とはダーウィンが進化論にて提唱しているものではありますが、自然界の壮大な現象だけでなく我々の生活にも及んでいると解釈できることがあるという事なので紹介します。
まずダーウィンが提唱した自然淘汰とは、3つの要因があります。
・生物の個体には同じ種に属していても、様々な変異が見られる。(突然変異)
・変異の中には親から子に伝えられるものがある(遺伝)
・また変異の中には自身の生存や繁殖に有利な差を与えるものがある(自然選択)
自然界には葉や花に見える昆虫や砂の色と変わらないようなトカゲなどがいることについて、これらの生物は花や葉や砂の色になろうとして進化したわけではなく、突然変異によって偶然に手に入れたものであるというのはにわかには信じられないことです。
しかし、ダーウィンが考えたことは突然変異によってもたらすことが生存または繁殖に有利、不利の差はまんべんなく与えられ、その中で不利なものについては自然淘汰されたため有利なものが現在まで生き残っているという事です。つまり最初化から保護色を使った生き物がいたわけではなく、突然変異によって赤や緑などの目立った色の個体も現れたはずですが、目立つ色は天敵に狙われやすいため次世代に遺伝される前に淘汰されてしまったという事です。
これが我々の生活の及んでいるとはどのようなことでしょうか。
先にダーウィンは適応力の差は突然変異よって生み出されると説明しました。
これを簡単にすると、生き残る力(適応力の差)はエラー(突然変異)によって生み出されるという事です。自分たちは基本的にエラーというとネガティブなこととして取り除こうと考えがちです。しかし自然淘汰の考えではエラーが必須であり、その中でポジティブなものをが起こることによってシステムの向上が図れるという事です。
その一例にアリ塚が挙げられます。働きアリは外でエサを見つけると、フェロモンを出しながら巣まで帰って応援を呼び仲間はそのフェロモンを辿ってエサを運搬するという仕組みになっています。ある大学ではこのフェロモンの辿る正確さと時間内に持ち帰れるエサの量の関係をコンピュータシミュレーションで分析する研究が行われていました。
まず最初のアリがエサを見つけてフェロモンを出しながら巣に帰ってきます。次にアリ集団にフェロモンを100%で辿れる完璧アリと一定の確率で間違えてしまうエラーアリを設定して、そのアリの混合率の違いで効率がどう変化したか調べました。
予想としては正確にたどれる完璧アリのみを入れることが最効率と思われたが、エラーアリがある程度存在したほうが中長期的に見れば高くなるという結果となりました。なぜこうなったかというと、最初のアリが帰巣するまでののルートが最短ではなかった場合、エラーアリが何度か道を間違えることで最短ルートが発見される。ほかのアリもそれを使うことで、短期的には非効率だが長期的には高効率になるという事になるのです。
このエラーによってシステムの向上が図れるという現象を自分たちの社会にも当てはめる。つまりは組織や会社運営に関してもすべて自分の意図で計画するより、あえてエラーが起こる余地ができれば私たちの生活はより豊かになるのかもしれませんね。
藤浪