ページの先頭へ

第91回 人間は他人のことは気になる

2016年06月03日

この間ある人との会話の中で「内の部下は私がやれば1時間で終わることを2時間かかってやっている。しかも質が私よりも落ちる。仕事の勘所というか手を入れるところと、手を抜いてもいいところがわからないのだよ」と言っていた。
次に出てきたのが「最近仕事が少なくてお客様になってもらえそうなところに出向いて話をしている。特別ご注文を取りに行っているわけでは無いが、もしもの時の手を打っているよ」ということだった。
そこで聞いてみた「そのあてになりそうなお客様で、ご注文をもらえたところはありますか」と。すると「もらえたはもらえたがそのお客様も代替わりが始まっていて、以前はよく買ってもらえたのだが若社長になったらあまり用事がないといわれ、もらえたご注文も微々たるもんだった」と返答だった。
それから次に出てきたのが「募集しているのだがなかなか人が来てくれない。また、たまたま来てくれても続かないんだよ」と。考えていることがいろいろありお仕事が大変な様子であった。
自分でやれば仕事は早く正確である。部下がやれば遅くて質が落ちる。これは当たり前のことである。そこで聞いてみた。仮に部下が「言われたことができたらあなたと同じ給料くれますかと聞いてきたら出せますか」と。すると「それは出せんわ」たった。効率を求めるためレベルを上げてほしいと考えるのはわかるが、レベルを求めれば対価も求められるという理屈がわからないのである。
はたまた「暇ならとにかく営業をかけれるだけかけてご注文をめいいっぱい取ってみたらと」聞いてみると「もしやりこなせなくてお客様に迷惑がかかりせっかくのお客様を失うのも嫌だ」と言っていた。
募集にしても「募集するのは何のためですか。人が入ると人件費がかかり、ますます仕事を獲得しなければならないが、教える仕組みと支払う給料原資はあるのですか」と聞くと、それもうやむやなのである。
そこでもう一つ聞いてみた「いろいろと考えているようですが本当の今の課題は何ですか」と。すると結論「わからない」だった。
人間どうしても問題を他に見つけようとする。しかし本当の問題は自分にあるような気がする。自分の目標が定まっていない。仮に定まっていても実行に移すことができない。実行に移しても自分が悪いわけでなく他人のせいにして、結局うやむやになって終わる。
これは自分にも言えることだがやはりまず自らを振り返ることが先であろう。自分に部下があれば当然面倒見なくてはいけない。しかしその前に自分は大丈夫かを常に問いかけていないと。そうでないと自分はできなくていいからお前はできろと言いかけたり、自分と同じことができるようになれば自分の立場はそのうち必要なくなるということになっていく。当たり前のことである。

記事を共有するShare on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin

過去の日記

TEL
0562-93-5561

株式会社 藤榮

〒470-1144
愛知県豊明市阿野町稲葉74-46

TEL:
0562-93-5561
FAX:
0562-93-0211

kitchen@fuji-advance.co.jp