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第130回 公民館が建てられた三つの理由

2016年10月16日

以前生涯施設について博物館や美術館、図書館を説明しました。他にも生涯学習を支援する施設は沢山あります。公民館やコミュニティセンター、スポーツセンターなど、様々な施設があります。その中でも、公民館は誰でも一度は使用したことがあるのではないでしょうか。

最初に公民館が建てられたのは戦後直後で、社会教育施設の一つとして教育基本法に位置付けられました。また、1949年に社会教育法でその目的、事業、運営のあり方が規定され、社会教育を担う中心的施設としての役割が与えられました。その公民館が建てられた背景には三つの理由があります。

一つ目は「民主主義と平和主義の理念を身に付ける」ため。二つ目は「文化の香高い人格を磨く」ため。この「文化香高い人格」とは、「主体的に物事を考える人格」、「自分の考えを他人に伝えることができる人格」、「他人の意見を聴くことができる人格」、「他人と一緒に行動できる人格」のことをいいます。三つ目は「地域に産業を興し、地域の政治を立て直し、地域の生活を豊かにする」ためです。この三つの理由には公民館を造る元となった「寺中構想」が関わっているのですが、構想された時代が古いといって蔑ろにしてはいけない基本的なことだと思います。実際、民主主義や平和主義を学習・理解するために、公民館はそれらしいことを私たちにしてきたでしょうか。私の地域ではそれらしい活動はされていません。また、二つ目の理由にある人格を作るには、地域の人々がお互い協力し合わないとできません。学校で習うような当然のことと思うかもしれませんが、これは個人の性格というより、集団行動の中での人格のことだと思います。そして、三つ目の理由に関しては、これは地域の人々だけではなく公民館の職員や、政治家などが関係してきます。それ以外に、その地域の特色を知ることが重要になってきます。

何気なく地域にある公民館ですが、このように様々な役割があることが分かります。その一つ一つが生涯学習に関わるものです。公民館は国民が学ぶ権利を保障する施設です。しかし、現代では市町村合併など公民館の必要性が問題視されています。そしてこれからの時代、生涯学習施設の立場としてどのような取り組みをしていくかが課題になってきます。

岡田

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