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第164回 力の抜きどころ

2017年05月01日

あらゆる仕事は、複数のタスクで構成されるものです。そしてそこには、重要なタスクとそうでないタスクがあります。

売上げの8割は全顧客の2割が生み出しているという「パレートの法則」をご存じの方も多いでしょう。これは、どんな仕事でも同様。つまり、成果につながる重要度の高い20%のタスクにこそ集中すべきなのです。それを踏まえず、すべてに力を注ぐのが「完璧主義」。一方で、20%に集中するのが「最善主義」。両者の違いは、リスクの見極めができているか否かに表われます。

すべての仕事に全力を注ぐのは、力の入れどころ・抜きどころを理解していないからです。業務で手を抜くことはリスクですが、時間は有限。選択と集中は必須です。「最善主義の人」はそれを理解したうえで、成果への最短距離と最小時間を意識して、仕事を進めます。結果、完璧主義者が残業に明け暮れるのを尻目に、最善主義者は手早く仕事を済ませます。そして完璧主義者を上回る成果を出すこともしばしば。どちらが効率的でかつ「得」かは明白です。完璧主義の殻を打ち破るには、その完璧主義思考がどこから来るかを知る必要があります。完璧主義には、3つのタイプがあります。

1つ目は「理想主義タイプ」。妥協や手抜きを嫌い、完全を目指しすぎるため、何をするにも時間がかかります。

2つ目は「白黒思考タイプ」。1か0かで物事を判断し、失敗を過度に恐れるのが特徴。第一歩が踏み出せない、トライできない、というためらいが時間の空費を招きます。

3つ目は「否定が怖いタイプ」。このタイプは周囲の低評価を極度に恐れます。「これ、手抜きじゃない?」と相手に思われたくないがために、細部まで過剰にこだわってしまうのです。

改善法はタイプによって異なりますが、共通する2つの習慣が突破口になります。

1つは「時間制限」。意識的にスケジュールをタイトにするのです。すると当然、業務のオーバーフローが起こり、タスクのうちのどれかを「しない」と決めざるを得なくなります。この習慣は、重要性の判別力を鍛える効果があります。とっさにどれかを「しない」と選ぶ、その繰り返しの中で、力の抜きどころを徐々に学習できます。

2つ目の習慣は「こまめに目的に立ち返ること」。なんのためにこの仕事を行なうのかを常に意識すると、目的と合致しないタスクを発見できます。たとえば細部の品質にこだわって、早い納品を望む顧客を待たせるのは「顧客満足」という目的を見失っていることがわかるでしょう。

「しないこと」を決められない人は、タスクを大きな塊かたまりとして漠然と捉える傾向があります。その結果、目の前の作業に片っ端から手をつけるという仕事の仕方になり、多くの時間を浪費してしまいます。

「すること」と「しないこと」を見極め、どのタスクにどれだけの力を入れるのか。抜くのか。つまりはメリハリが大切です。

 

山本

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