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2018年08月26日
以前に、世界遺産とは人類や地球の長い歴史の中で生まれ、受け継がれてきた人類共通の宝物であるという説明をしたかと思います。しかし中には、原爆ドームやアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所、ゴレ島など、果たして人類の宝と呼べるのか疑問に思うようなものも登録されていますよね。
これらは負の遺産と呼ばれ、近現代に起こった戦争や人種差別など、人類が犯した過ちを記憶にとどめ、二度と繰り返さないよう教訓とするために残されているものなのです。
日本の負の遺産、原爆ドームは第二次世界大戦で失われた多くの尊い命と、その戦争の悲惨さを忘れないために1996年、世界遺産に登録されました。
広島に原子爆弾が投下されたのは、今から73年前の8月6日のことでした。これは人類の歴史上初めて核兵器が使用された瞬間でした。原子爆弾は広島県産業奨励館付近の約580m上空で爆発し、強烈な熱線と爆風を受けた産業奨励館は、一瞬にしてほとんどの箇所が破壊されましたが、ドーム型の屋根部分は骨組みと壁を残して全壊を免れました。
この産業奨励館について、広島市民のあいだには、街に壊滅的な被害を与え、多くの死傷者をだした原爆の惨事を思い出させるとして、取り壊しを求める声も多くありました。しかし、核兵器の恐怖を後世に伝える象徴として保存を求める運動が広がり、廃墟となった産業奨励館は「原爆ドーム」として永久に保存されることになりました。
負の遺産は、世界遺産条約で正式に定義されているわけではないため、どの遺産が負の遺産に相当するのか意見が分かれるものもあります。しかし、過去の反人道的行為を反省し、現在でも様々な形で残る紛争や人種差別をなくすために、これら負の遺産が発するメッセージは大きな意味を持っていると私は信じます。
加藤
2018年08月19日
8月後半となりました。学生さんは夏休み終盤になり、宿題に追われる時期かもしれません。
夏休みの宿題に関して、面白い調査を見つけました。宿題はさっさと片付けるか最後に追い込むかの調査で、「さっさと片付ける」計画は破綻しやすく、「最後に追い込む」子は、休み明けにストレスが高まることが分かったそうです。
調査は、夏休み開始1週間前に「宿題の計画」を尋ね、夏休み明けに「実際の宿題行動」とストレスを調べる、という形のもの。その結果、宿題の計画は①毎日こつこつする「継続型」(61%)②すぐに終わらせる「前半集中型」(34%)③休み終わりごろにまとめてする「後半集中型」(2%)④「無計画」(3%)――に分かれた。
一方で、実際の進め方では、継続型が68%を占め、前半集中型は14%にとどまった。計画では少なかった後半集中型は約5倍の11%、無計画は約2倍の7%と、大幅に増えた。
計画と実際の一致・不一致状況を見ると「前半に集中する」と考えていた子の7割が計画倒れに終わり、「毎日こつこつする」つもりだった子は、8割が計画通りにできていた。
また、後半に集中した子と無計画に進めた子は、ほかの二つの進め方より、休み明けのストレスが高まりやすいことが分かった。期日までにできるかどうか不安になることに加え、計画の破綻も子のストレスを高める要因になるという。
この結果をみて、普段の仕事に通ずるところがあるのかもと思いました。直前に追い込むようなやりかただと、間に合っても間に合わなくてもストレスを高めてしまうのかもと感じました。また反対に意気込んで計画を詰めすぎると結局計画倒れになってしまう可能性が高い。やはり自分が着実にできるペースでこつこつ進めていくことが大事だと感じました。そして都度進行状況を確認し、うまく進んでなかったら、計画を修正していくことが必要だと思いました。
甲村
2018年08月13日
「医者の不養生」ということわざについて、紹介していきます。
医者は、患者に対して、喫煙せず、酒もほどほど、肉食や油っこいものは控えて、よく運動しなさいと言います。
しかし、その医者本人を見てみると、喫煙し放題だし、酒もたくさん飲むし、肉食や油っこいものも大好きで、運動はしないという場合が多いです。
このように他者に対しては問題点がよく見えるけど、こと自分の問題に関しては、あまり見えないのが人間心理です。
「灯台下暗し」ということわざもありますように、自分に近くなるほど見えなくなるものなのです。
ただし、言っていることと反対のことをしているからといって、ヤブ医者とは限りません。
そのような医者ほど、良い診断をすることも多いです。
自分のことは、他人から見た方が分かることもあります。ほかの人に自分のことについて、何がいけないのか、聞くことができるようになりたいものです。
寺澤
2018年08月05日
今年の夏はエアコンが欠かせないほどの猛暑ですがエアコンを使っているとどうしても電気代がきになってしまいますよね。そこで気になるのは昔の人はどう生活していたか。江戸時代にはもちろん、エアコンはなかった。それでも、暑い夏をしのぐ“涼を取る工夫”をいろいろとしていた。そうした工夫のいくつかは、今の時代にも受け継がれている。実は当時人気の歌舞伎の演出にも、涼を取る工夫があった。歌舞伎「夏祭浪花鑑」を例に、江戸時代の人たちの涼を取る知恵を調べてみました。
江戸時代は、自然の風や水を活かして涼を呼んでいました。
日中は夏の日差しを葦簀(よしず)で遮りながら、打ち水をして涼しい風が室内を通るように工夫した。見た目にも涼しいように、鉢にたっぷりの水を入れて中を泳ぐ金魚を鑑賞したり、水の中に浮かべて冷やした夏野菜やスイカなどを食べたりと、水をうまく活用することで少しでも涼しく感じるように工夫した。
それでも日中は暑いので、一日ごとに稼ぐ職人などの庶民は、ずる休みをしてふて寝をしたり、湯屋でぐずぐず時間をつぶしたりということも。落語に登場する長屋の連中は、たいがいがそういうことをしている。
そして、涼を求めて皆が集まるのが水辺。川のほとりや池の周りをそぞろ歩いて、そこを吹く涼しい風に当たったり、「滝浴み(たきあみ)」をしたりした。滝浴みは、滝に打たれたり、滝を眺めて楽しんだり、その川の水で遊んだりして涼を求めること。江戸時代は、王子にいくつかある滝に行楽を兼ねて出かけるのが流行っていたようです。
そして、江戸時代は蛍狩りなどが盛んに行われていたので、自ら捕まえたのかもしれないが、四季を楽しむ江戸っ子のために「虫売り」という商売もあったので、買った可能性が高いだろう。見て楽しむ蛍や耳で楽しむ鈴虫、コオロギなどを売り歩いていたという。
エアコンのなかった江戸時代は、自然と共生して涼を取っていた。そうした知恵は、今の時代でも活用できるものが多い。先人の知恵を活かして、今年の暑い夏を涼しげな工夫で乗り切ってみるのはいかがでしょうか。
本田