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第453回 明鏡止水(めいきょうしすい)

2022年04月24日

「明鏡止水」という言葉を知っているでしょうか。剣道でも使われる言葉なので、凛々しい印象を受ける人もいるかもしれません。
「明鏡止水」の意味は、“よこしまな気持ちを持たない、澄み切って落ち着いた心”です。もともとは「明鏡」と「止水」に分かれた言葉でした。
「明鏡」の由来とされているのは、「荘子」の「徳充符篇」に書かれた寓話です。登場人物は、足を切られる刑を受けて片足を失っている「申徒嘉」と、宰相の「子産」です。2人は、同じ先生のもとで学んでいました。
ある日、子産が申徒嘉に、なぜ宰相である私を敬わないのかと、申徒嘉の態度を諫めようとしました。これに対して申徒嘉は、同じ先生のもとで学ぶものは対等だと伝え、以下のような話をしました。
「鏡はよく磨かれていれば塵や垢がつかないが、汚れていれば塵や垢がついて曇ってしまい、物事がはっきりと見えなくなる。立派な方と一緒に過ごしていれば、磨かれて過ちを犯さなくなる。」
つまり、片足を失っている申徒嘉への偏見や、自分が宰相であるという傲慢な気持ちを、鏡につく汚れや曇りに例えているのです。さらに、汚れや曇りのない鏡を表す「明鏡」は、偏見や傲慢な気持ちのない澄んだ心のことを指しています。
「止水」も「明鏡」と同じく「荘子」の「徳充符篇」に書かれた寓話です。孔子が弟子の常季と会話をしている様子が書かれています。
「王駘」という足を切られる刑を受けた者のところに、多くの弟子が学びに行っていました。このことを弟子の常季は不満に感じ、孔子になぜ博学でない王駘のところに弟子が集まるのかと尋ねました。
これに対して孔子は、「人は流れる水ではなく、止まった水を鏡として使う」ということを取り上げ、王駘は止まった水のように穏やかな心を持っているので、人が集まると話しました。この話から「止水」は、止まった水のように穏やかな心を指しています。
剣道の用語でも「明鏡止水」は使われています。曇りのない鏡のような心や、静かに止まっている水のような落ち着いた心で相手を見ると、相手の隙などが見えてくるという意味です。
何か落ち着きなくバタバタとしている時、ちょっと頭の中で「明鏡止水」と唱えて、静かな水をイメージするだけで、少し心が穏やかになっていけばいいなぁと思います。
外山

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第452回 コロナウイルス最大の問題は?

2022年04月17日

コロナウイルスには様々な症状があります。嗅覚や味覚の消失などがありますが、最も恐ろしいことは他にあると思われます。コロナウイルスの最大のダメージは人間関係だと考えられます。現在の感染予防はマスクの着用、ソーシャルディスタンス、イベントやパーティや飲み会の自粛、予防接種などの対策が行われています。

ですがこれは同時に人間関係を築くチャンスを奪い、その結果大きく3つの問題が生じました。

一つ目は出会いの激減です。新たな出会いも生まれにくくなるし友達や恋人関係の継続も厳しくなります。コロナの飛沫感染を恐れたらデートの一つも取ったってやりづらくなります。実際に令和2年での新規の妊娠届出数は平成31年(令和元年)に比べてずいぶんと落ち込んだ結果が出ています。

二つ目は孤独のストレスです。出会いが減り孤独になると心にも体にも悪影響があります。

アメリカ医師会の調査によるとコロナ禍によって男性の飲酒機会は14%・女性は17%増加したとの報告があります。さらに孤独になるほど飲酒量や喫煙量が増えて早死にするというデータもあります。

三つ目は親しい関係の悪化です。例としては、今まで外で仕事をしていた夫が突然リモートワークでいるようになった。その結果仲良くなる可能性もありますが、距離感が近くなりすぎて喧嘩や口論が増えることもあります。離婚件数はコロナ禍に入って減少傾向にありますが、これは結びつきが強くなったと言うよりも不安の方が強く、我慢していたと考えられます。実際に外出自粛にも関わらず離婚相談の件数は3割増し、電話相談なら5割増しになったそうです。つまり表だって離婚することはできなくても離婚したいと言うストレスはどんどん増えていると言うことです。

ここで「ヤマアラシのジレンマ」の心理学用語の話をします。あるところに寒くて震えていた二匹のヤマアラシがいました。温め合うために二匹は抱き合おうとします。でも針があるので近づきすぎれば痛くてしょうがない。だから寒くなく、痛くないちょうど良い距離を保つ必要がありました。これがヤマアラシのジレンマです。

人間関係もこれと同じです。関係が疎遠なのも寂しいですが、あまりに近すぎてしまうとそれはそれで喧嘩になったり、居心地の悪さに繋がってしまいます。

コロナ禍での生活は感染の恐れから人と人との距離感が難しくなっているので、ちょうど良い距離を保つことが重要になります。

福田

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第451回 コロナワクチン

2022年04月10日


先週の9日土曜日に第3回目のコロナワクチンを摂取してきました。

これまでファイザーでの接種でしたが、三回目はモデルナで摂取したところ、発熱、寒気、腕の痛みなどその他副反応の症状が3回の中で一番酷かったです。

早くウィズコロナが進み、あらゆる規制が緩和されることを願っています。

山盛

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第450回 脳への刷り込みが無意識の行動に現れる

2022年04月03日

前回、自分は過去の行動や言動、思考などの1つ1つが自分を作り上げてきたとありましたが、具体的にどのような過程を踏んでいくかというと「刷り込み」にあると著者は語っています。何度も反復して耳から入ってきた言葉はそれが肯定的でも否定的でも脳に刷り込まれていく。そして習慣ができ、自分という人間が形成されます。周りからダメな奴と言われれば自分自身もそう思うようになり、勉強もスポーツもあきらめてしまったり後回しにする習慣が付きます。その積み重ねによって本当に自分をダメな奴に作り上げてしまうのです。しかもそれは他人の言葉だけでなく自分自身の口癖も脳に刷り込まれてしまうとのことです。

耳に入った情報くらいで思考や行動に影響されるのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、人間の脳は耳から入ってくる情報は全て本当のことだと思い込む性質があります。つまり私たちの脳は真実と嘘や冗談の区別がつかないのです。自分がダメな人間と言われるとその根拠が何一つなくても脳は関係なしに素直に真実として受け止めてしまう。しかも繰り返し五感から取り入れられた情報はやがて人間の潜在意識に到達して無意識に反応するまでになります。算数の九九のようにあるいはテレビのCMのフレーズのように繰り返し情報を取り込むことによって無意識に呟けるようになります。

このように潜在意識に刷り込まれた情報はやがて行動や言葉、表情などに現れてきます。「今日も歯を磨かないと」と意識する大人がいないように、子供のころから「食べたら歯を磨く」という潜在意識の刷り込みにより無意識の行動に現れる。すべては脳への刷り込みの結果であり、潜在意識によって生み出された「習慣」なのです。

藤浪

 

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