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2023年04月30日
説得の三要素とは古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスが提唱した人を説得する為の3つの要素のことです。彼は、「人が説得されるためには、ロゴス・パトス・エトスの3つの要素が揃っていなければならない」と唱えました。
ロゴス(論理的アピール):論理的思考で情報の整理をし、メッセージを明確にする技術です。
エトス(倫理的アピール):信頼・人柄のことを指します。
パトス(情緒的アピール):人への共感に加え、話のバックグラウンドも含めた共感です。
この3つがどれもかけてはいけないとアリストテレスは唱えています。
例えば、データをたくさん見せながらロジックでプレゼンをしたとしても、その人の説明に覇気が無かったり自信が無さそうな印象を受けたら、論理的には理解はできるかもしれないがパトスが欠落していてロゴスに偏っているプレゼンでは心の奥まで響くことはないでしょう。
逆に、「気持ちがあれば伝わる」と情熱にあふれた体育会系の営業マンが情熱的な語りかけで営業したとします。その熱意に押されて応援してあげたくなるかもしれませんが、論理的なことを尋ねてもその場で回答はできず、後日回答が来るも更に質問をすると同じような状態が続いてしまいます。
このように人を真に説得させる3要素は、古代ギリシャから2000年以上たった現代においても変わらない大切な要素なのです。
藤浪
2023年04月23日
関連のない映像や写真の前後のつながりを無意識に関連づけてしまう心理的効果です。
日本酒を例に考えてみると、その日本酒の画像を見せる直前にアピールしたいことの画像を入れるのです。湧き水の画像+日本酒の画像=こだわりの水を用いて作った日本酒というイメージになるでしょう。
またお正月のお供えの画像+日本酒の画像=お祝い事やおつかいものなどに良い日本酒というイメージになります。
クレショフ効果は色の使い方でも使われています。
たとえば、カラフルな明るい色で構成されていると「可愛らしいイメージ」や「子供っぽいイメージ」を印象付けさせることができます。またシックで暗めな色を使うことで、「高級感」のあるイメージを演出することができるようになります。
クレショフ効果はCMでも使われています。
シチューのテレビCMや広告などを見ていて、寒いイメージを抱いた経験はないでしょうか?
たとえば、雪中でシチューを食べると、湯気が出るため、とても温かさを強調しているように感じ取れます。一見、普通に見ているCMですが、このように細かく心理的にイメージしやすくしていることもあるのです。そうすることで、受け手は食欲が増す効果があり、消費者は購入意欲が増すようになります。
クレショフ効果を用いてブランディングも行うことができます。商品やサービスのイメージカラーやデザインに統一感があると、Webサイトで効果的なブランディングができるのです。
例えばイメージカラーやデザインに統一感のあるシリーズ物の商品が1つの画像にまとめて掲載されていると、全部良く見えてまとめ買いをしたくなった経験はありませんか?
これは商品を単品で紹介するより、デザインや色に統一感のあるシリーズで紹介するブランディングで商品の魅力を高め、購入意欲を高めることに成功しているのです。
このように商品やサービスの特徴、どのような場面で使ってほしいのかなどを考えて直前に入れる画像を決めるとよりターゲット顧客への訴求効果が高まるでしょう。
人間は、異なる情報や状況を結びつけることで、新たな意味や解釈を作り出す能力があります。TVCMや広告などを見かけた際には、「クレショフ効果」の視点で見てみると面白いかもしれませんね。
外山
2023年04月16日
ニーチェの提唱した超人とは自分の望む方向に成長し力を得ていく存在のことを言います。
つまり他人から与えられた思考に従って受け身に生きるのでなく自分で決めて力強く生きていくことが大切と言うことです。
その力は何でも良いですが最重要なものが二つあります。
まず一つ目は「筋力」です。
ギリシャのトラーキ大学の心理学者オラニア・マツォウカは60~70歳の女性に軽く体を動かす訓練をしました。その結果彼女たちは明らかに幸福感が上がり快活になったのです。つまり筋力は心と連動してエネルギーを湧かせすべての力の原点となる重要な力と言うことです。なので落ち込んだ時などは、軽めで良いので運動をすることをオススメします。
二つ目は「バカ」です。
ここでは超人=バカとしていますがニーチェの著書にはバカとは一言も書かれていません。
アメリカのヴァンダービルド大学の心理学者トレッドウェイらがボタンを21秒間に100回利き腕でない方の小指で押す実験を行いました。実際この実験はかなり大変な実験だったそうです。このとき途中で諦めた人ほど「島皮質」という部分が活性化していたそうです。これは損得勘定を司る部分だそうで、この実験を行う際の自分の得を考えていたために、最後まで続かなかったと考えられます。しかし、最後まで諦めなかった人たちは「前頭前野」などが活性化していたそうです。これは物事を楽しんだり総合的に思考したりする部位だそうです。つまり最後までやり遂げた人は純粋にボタンを押すのを楽しんだ人や報酬など関係なく頑張れた人だったと言うことです。つまり、ここでのバカとは損得や結果を深く考えすぎず気軽にやることと言うことです。
すべてをバカになって行うのではなく計画などを決める際は精一杯考えるべきでしょうが、行動に移す際は迷ったり心配しすぎずにいったんバカになってそれをやるだけの人間になることが大切です。
そして物事をやろうとした際、やる気や集中力を出すのが大事だと思うかもしれませんが、大事なのはやる気を出さずに行動することです。例えばゲームや本を読んだりするときに気づいたら時間が過ぎているときはありませんか。この時、誰もやる気や集中力を持ってゲームなど始めてはいないと思います。このようにどんな精神論を持ってやろうとするよりも何も考えずただ行動をすることが大事だということです。
福田
2023年04月09日
先週の投稿で再生可能エネルギーや原子力に続く二酸化炭素を排出しないエネルギー源として、アンモニアが注目されているとお話ししましたが、製造のために化石燃料と高温で反応させて水素を得る必要があり副産物としてCO2が多く発生してしまうと欠点がありました。
しかし3/29に伊藤忠商事とレゾナック・ホールディングスが化学繊維を使用した使用済み衣料品を活用してアンモニア生産。天然ガスなどから生産する従来方式より二酸化炭素の排出量を約8割減らせるとの発表がありました。
アパレル業界ではファストファッションの流行などで、使用済み衣料品の大量廃棄が問題になっており、プラスチックごみに関しても86%がリサイクルされているものの、そのうち63%は「サーマルリカバリー」と呼ばれる熱回収型に頼っており、新たな資源としての利用はできていないとのことでした。
そこでレゾナック・ホールディングス済みプラスチックと使用済み繊維を混合したリサイクル固形原料RPAFにより、原料を100%廃棄物由来に置き換えることに成功。アパレル関連企業を傘下に持つ伊藤忠が使用済み衣料品と廃プラの確保に協力することで、廃棄物の社会課題を解決するのみならず脱炭素化も進めることが出来る画期的な方法となりました。
今回のようにSDGsへの取組が進んでいる企業が大きく評価される考え方がより浸透されていくべきだと感じました。
藤浪
2023年04月02日
太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーや原子力発電など発電時に二酸化炭素を排出しないエネルギーとして、アンモニアが注目されています。
化石燃料の代替として水素を燃焼させてエネルギーを獲得しようとする考えが主流であったが、水素よりも保管や輸送が容易なアンモニアにも脚光を浴びています。
以前は脱炭素の切り札とされたのは燃やすと水になる水素であり燃料電池車が普及が進んでいるが、水素には保管や輸送に使うタンクを大気の数百倍の高圧にするか、零下253度の低温の状態にする必要があります。
そこに代わって注目されるのがアンモニアであり数気圧か零下33度で保管できるため、保管・輸送が水素と比べ容易で最終的な発電コストを下げられるとの事です。現在は補助電源として石炭や天然ガスをアンモニアが代替する期待がされています。
しかし、このアンモニアには製造時に大量のエネルギーを消費し二酸化炭素を排出してしまうという事です。
アンモニアの生成は化学産業の中でも最もエネルギーを消費する製造工程の1つとされる。その消費量は製造・運搬に投入したエネルギー量より、アンモニア発電で得られるエネルギー量は減る程のもの。そして製造時のCO2排出量も課題となっています。アンモニア製造のために化石燃料と高温で反応させて水素を得る必要があり副産物としてCO2が多く発生する。
また反応には800度以上の高温状態が必要となり、この熱源の為にも化石燃料も使う。得た水素と窒素を合成してアンモニアをつくる反応も高温高圧状態が必要との事。
製造時のCO2排出量の解決策として「グリーンアンモニア」があります。再生可能エネルギーから水素を作り、そこから製造することで二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、発電用として将来有望視されていますが現状の製造コストよりの約2〜4倍高いのが難点となっています。
発電コストは水素より安いが、製造コスト・CO2排出量が高いアンモニアですが、様々な企業がこの課題を克服するために研究が進んでいます。
今後は水素かアンモニアかどちらのエネルギーがより低コストで環境にやさしいのか脱炭素において注目されていくと思います。
藤浪