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第524回 『昭和』改元の日

2023年12月24日

  1. 12月25日は「『昭和』改元の日」です。

    1926年(大正15年/昭和元年)のこの日、大正天皇が崩御され、皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が新天皇に即位されました。
    これと共に新しい元号「昭和」が制定されました。
    「昭和」の由来は、中国最古の歴史書『書経』にある「百姓昭明、協和萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す)という一行から上下一文字ずつ取ったもので、国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う意味との事です。
    戦前の旧祝祭日では、大祭日の一つ「大正天皇際」(12月25日)といって大正天皇崩御を祀る日とされていました。
    当時、枢密院議長だった倉富勇三郎の日記によれば、宮内省作成の元号案として「神化」「元化」「昭和」「神和」「同和」「継明」「順明」「明保」「寛安」「元安」があったが、数回の勘申の結果、「昭和」を候補とし、「元化」「同和」を参考とする最終案が決定しました。
    一方、内閣では「立成」「定業」「光文」「章明」「協中」を元号案の候補に挙げていました。
    東京日日新聞(現:毎日新聞)は、早くから「新しい元号は『光文』になるらしい」という情報を得ていたため、政府の公式発表の前に「元号は『光文』に決定」と報じました。
    しかし、政府は元号を「昭和」と発表したため、この「特ダネ」は「大誤報」となってしまい、編集局主幹の城戸元亮(きど もとすけ)は責任をとって辞任したそうです。
    「光文」は新元号の候補の中にあり、「元々『光文』に決定していたものが、新聞で先に報道されてしまったため、政府は『昭和』に急遽変更した」という噂が生まれました。
    日本のクリスマス普及にも関係があり、この翌年に休日法が改正されて大正天皇が崩御された12月25日は「大正天皇祭」として休日に。昭和22年まで休日とされ、その間にクリスマスが定着したそうです。
    昭和の時代は日本の歴代元号で最も長く、昭和天皇の在位期間である1926年から1989年(昭和64年)まで。その後、1989年1月7日に昭和天皇が崩御され、今上天皇が即位された翌日に「平成」へ改元されました。
    平成から現在の令和、昔とはだいぶ変わりましたが、一日一日を大切にしていきたいと思います。

今年も残りわずかとなってまいりました。皆様にとってたくさんの幸せが訪れる一年でありますように 。良いお年をお迎えください。
外山

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第523回 増え続ける薬物依存

2023年12月17日

薬物依存症の話を聞くことがあると思いますが、現在患者数はジワジワと増えているそうです。薬物の検挙数は2012年から2021年の間で覚醒剤は年々減っているが大麻については増加傾向にあり全体的には増加する結果となっています。

実際の患者数の統計ではなく検挙人数なのかは、薬物依存症はうつ病や不眠症などとは違いよほどのことがなければ病院には行かないからです。よって検挙人数を大きな目安としているのです。

さらに20歳未満では2014年までは減少傾向だったのが2016年までに増加し、2017年に再び減少したがまた増加傾向にあるそうです。さらに大麻に関しては2012年から2021年間ずっと増加する結果となっています。

これほど薬物使用者が増加した理由としては寂しいからだと言われています。例えばアメリカでは2020年の薬物による死者が前年よりも30%も増える結果となりました。これについてアメリカの医療政策専門家ジョシュア・M・シャーフステイン博士は「コロナの流行で薬物治療の施設やプログラムが機能しなかったからだ」と述べています。加えて外出する機会が減り、孤独による不安やストレスが高まり、薬物に走りやすい環境だったからだと考えられます。

これはアメリカのことだけではなく日本でも同様だったと考えられます。

特に最近ではネットの発達によってSNSで簡単に買えてしまうこともあります。

シャーフステイン博士によればコロナよりも薬物の方が死亡者が多く重大な問題であるとしています。

ではどんな人が薬物にハマりやすいと思いますか。人間の脳にはドーパミンと言われるホルモンがあります。ドーパミンによって楽しさや気持ちよさを感じます。

ドーパミンの働きが弱い人の場合勉強や仕事に集中しづらかったり人間関係をスムーズに築きにくかったりします。そのために普段から孤独や苦しみを感じそれを治療するために依存物質を使いやすくなります。これを「自己治療仮説」と言います。なので誰に何を言われても自分は治療しているだけだなどとして受け入れないわけです。特に薬物は確実な効果が出たり、強烈な刺激があるので普段からドーパミンが出づらい人は落差でさらにハマってしまうそうです。ドーパミンが出づらい人は発達障害やADHDの傾向がある方が多いとされていますが、それは程度の違いでしかないので全ての人が薬物のハマる可能性があるのです。

福田

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第522回 一水四見 見る人によって物事が違って見える事を忘れない

2023年12月10日

一水四見とは同じものでも見る人によって見方が違ってくると言う禅語になります。

人間が水と見たものでも、自在に水上を歩く天界の方々からは水晶に、地獄の亡者からは血の池に、魚類からは自分たちの住処に見えることから、立場の違いでそれぞれの見方が変わると説くものです。

水を眺めるだけで四種類の見方に分かれるのですから、世の中となるとさぞかし多くの見方に分かれていることでしょう。

自分と他者を比べれば、生まれた環境や世代の差もあり、考え方に違いが生まれるのは不思議なことではありません。

しかし、自分と違うその人の考えを少しでも理解することが出来れば、信頼が生まれ、お互い助け合うことが出来ます。自分一人の考えに凝り固まるのではなく、見方や立場によって同じ物事でも、さまざまな姿になるというのを覚えておくことが大事ですね

 

藤浪

 

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第521回 白珪尚可磨(はっけいなおみがくべし)学びに卒業はない

2023年12月03日

白珪(はっけい)とは白く完璧な玉のことを指します。

この禅語は白く完璧な玉であっても磨き続けなさいという教えになります。その分野に関してこれ以上ない知識や経験を得たとしてもそれに慢心することなく、さらに精進しなさいと言う意味です。

 

自分たちは小学校、中学高校そして大学と学校に入学したらいずれ卒業があります。しかし学校を卒業したからと言って学びに卒業はありません。自己の人格を磨き、豊かな人生が送れるように生涯に渡り、学校だけに留まらずあらゆる場所や機会のたびに学び続けることです。

「これで良い」「これで完璧」ということはなく、常に上へ上へ、高みへ高みへと目指していく姿勢や努力をし続けることが大切です。これでいいと思ったらその時点で終わりになってしまうのです。

 

少し古いですが、KREVAの楽曲「かも」では『このままこうしていられるなら他には何もいらないそんな風に思ってしまったなら、終わりが近いのかも』と耳が痛い歌い出しですが、これはまさに白珪尚可磨といえます。

長い人生の中で同じ速さで走れ続けるのは難しいですが、時にゆっくりしたり休みながらでも一歩ずつ進んでいきたいですね。

 

藤浪

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