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第529回 血液銀行開業記念日(血液バンク)

2024年02月25日

1951(昭和26)年2月26日、献血で集められた血液を集め、必要に応じて輸血用血液として供給する「血液銀行(血液バンク)」が日本で初めて設立された日です。
1951年(昭和26年)のこの日、日本初の血液銀行・株式会社日本ブラッドバンク(後のミドリ十字、吉富製薬と合併する等して現在は田辺三菱製薬)が大阪で開業しました。
血液銀行は、献血等により提供者から採取した血液を保存管理して輸血に必要な血液を確保し、必要に応じて供給する機関で、GHQの指示により設置された。翌1952年(昭和27年)に、日本赤十字社も血液銀行を設立しました。
1960年(昭和35年)8月、東京都にて「第8回国際輸血学会」が開催され、この学会にて「保存血の多量使用は肝炎の多発要因になる」との指摘があり、無理な売血による提供者の貧血問題、日本の保存血の大半が売血によって行われていることを、スイス・オランダの学者から取り上げられ、血液銀行の在り方が強く批判されました。
この批判によりマスコミの注目を浴び、金銭を得るために過度の売血を繰り返していた人たちの血液「黄色い血」への関心が高まりました。1964年(昭和39年)8月、閣議決定により、厚生省は「保存血」は「日赤(日本赤十字社)」と「地方自治体」のみが取り扱う旨を全医療機関へ通知しました。
日本ブラッドバンクは、業績の42%を血液銀行部門に頼っていたが、行政指導により血液銀行部門を廃止し、医薬品部門の拡大に特化した「株式会社ミドリ十字」に商号変更。新社名は、創業以来の社章である「緑十字形」にちなんでつけられたものでした。
日本の献血事情ですが、現在日本では献血を行う人が少なくなってきているそうです。しかしアニメや漫画とコラボをして献血してくれた人にグッズや飲み物を差し上げるなどをして献血を行う人を増やしているそうです。日本ならではですね。
外山

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第528回 大麻とは

2024年02月18日

大麻とは大麻草を加工したもので「マリファナ」「ガンジャ」「ハシッシュ」「ハッパ」などの呼び名があります。大麻草はあまりに繁殖力が強く3~4ヶ月で3~4メートルほど成長します。

実際に日本でも各地に生えており布や縄など様々な繊維として使われています。生命力が強いため「神様が宿る草」と考えられていたようです。つまり大麻は米よりも歴史の長い作物だと言えます。

さらに大麻は食用にも使われていて七味唐辛子や鳥のエサなどにも入っています。

戦後アメリカからの指導によって禁止薬物に指定されました。当時の日本政府は大麻=薬物という認識がなかったため驚いたそうです。なので大麻草の農家を守るために「大麻取締法」をつくり大麻栽培を許可制にしました。しかし化学繊維の発達によって繊維としての需要が減ったことと許可基準が厳しいため昭和29年には37313人だったのが平成28年には37人まで激減しています。そして許可を受けた人でも好きに吸ってはいけません。

大麻の依存物質の主成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれるもので大麻草の葉や花穂などを加工して吸います。ちなみにTHCは規制されていますが、これは大麻に100種類以上もある成分の1つに過ぎません。別の成分のCBD(カンナビジオール)はTHCのような精神作用がないためリラックスオイルとして合法に使用することができます。CBDはリラックス効果の他てんかんの抑制をしたという報告もあります。

実際に大麻を吸うとどうなるかというと、まず大麻を使用するとドーパミンが増えますが、覚醒剤とは違い数時間にわたってじんわりとした多幸感に包まれます。さらに感覚が鋭くなるので小さな事にも感動するようになります。そして思考もどんどんスケールが大きくなります。しかしその後、体が重くなり思考が止まってしまうこともあります。また繰り返し使用することで無気力になっていく人もいます。

ただ総じてソフトな効き方なので覚醒剤に比べて使用ハードルも低く世界的にほぼトップで使われる薬物です。世界的には大麻が認められる傾向にありオランダ・イタリア・スペイン・カナダ・アメリカの一部などではほぼ合法化されています。

それだけ合法化されるならなぜ禁止されたのかというと酒とタバコのせいです。そもそもマリファナはメキシコの言葉で「安いタバコ」を意味します。まずアメリカで禁酒法が作られたがすぐに中止されました。しかしそうすると酒を取り締まる警察官が失職してしまうのでかわりになる禁止物を作る必要がありました。タバコは当時多くの白人に消費されていたため貧しく立場が弱かった黒人や貧民層が使用していた大麻(マリファナ)が禁止される事になりました。大麻は他の薬物に比べて害や依存性は低いと言われています。またあまりに使用者が多いため放置すれば非合法組織が儲けすぎてしまうため合法にして政府が管理した方が良いと合法化の動きがあるのです。ただ薬物は薬物なので依存すれば心や生活に悪影響があるので合法な国でも安易な使用はオススメしません。

福田

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第527回 且緩々(しゃかんかん)落ち着いてゆっくり行きましょう

2024年02月04日

現代の私たちの生活は限られた時間に対して消費しきれない膨大なコンテンツに囲まれた生活をしております。

あふれたコンテンツからいかに早急に結果や物事を手に入れるかと考える事が2022年に流行語としてノミネートされた「タイパ」という価値観を重視した生活様式が当たり前になってきました。

 

ドラマやYouTubeなど動画は倍速で視聴したり、倍速でも見てられない場合は動画の山場だけを1分にも満たない時間でまとめた切り抜き動画で消費する。TikTokやYouTube Shortsが流行るのも製作者が現代の消費者を考えた作りとなっているでしょう。

音楽に関してもこの「タイパ」の波が来ております。令和のヒット曲にはイントロの無い曲が多くあります。歌い出しから始まる曲やもっと早いとサビから始まる曲もあります。

音楽のサブスクが普及し、国内外問わず数千万の楽曲をスワイプするだけで聞くことが出来る現代では、スキップされないためにいかに速く聴く人の心を掴むかというタイパという価値観を重視することが不可欠といえるでしょう。

 

且緩々(しゃかんかん)という言葉はこのタイパの時代に逆行する言葉と言えます。

”且”という言葉は「とりあえず」という意味であり、”緩”は「ゆるやか」や「のろい」という意味。

少しでも早く悟りを開こうと矢継ぎ早に質問を繰り返す弟子に師匠である僧が説いたのがこの言葉です。

「ゆっくりやりましょう」と言うのは怠けているわけではありません。焦ることと手を抜かずに取り組むことは違いますし、慌てることと一生懸命なことは違うからです。

現代の速さに流されて焦っていると見落としてしまいそうな事も、この且緩々(しゃかんかん)という言葉で私たちを一旦振り返らせてくれるのではないでしょうか。

 

藤浪

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