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第542回 鳥啼山更幽 困難は人を深める材料

2024年06月30日

鳥啼山更幽(とりないてやまさらにしずかなり)とは深山で鳥が一声鳴いて飛び去った後に深い静寂に包まれる情景を表した言葉です。

静かに消えいていく鳥の声は山々の静けさをより深く感じられるようになります。我々の人生にも同じように、何も起こらない平穏の生活の中に突然起こる苦難や出来事は後の生活の静けさがより一層深く感じられるようになります。

 

普段の静かな生活に有難さを感じる事はめったにありませんが、時に困難や悲しみを経験することによって困難を乗り越えた人間は元の生活の素晴らしさに気づくことができる深みのある人間に成長できるものです。

 

近年のコロナ禍で我々は感染症の流行の無い生活がどれだけ安全で無神経で愛おしいものかを気付かされるものになりました。今後のウクライナ問題、パレスチナ問題など各国の軋轢に伴う物価高や移民問題など

世界情勢の不安定な状態が続きますが、これを乗り越えた時の我々は成長を遂げているのでしょうか。

 

困難や悲しみを経験してもそれを受け入れて前向きに生きていきたいものです。

 

藤浪

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第541回 ドレミの日

2024年06月23日

1024(治安4)年6月24日、イタリアの音楽教師ギドー・ダレッツォがドレミで始まる音階を定めました。この日を記念して、6月24日は「ドレミの日」と制定されています。
11世紀初頭、毎年6月24日に開催されていた「洗礼者ヨハネの祭」の日の為、ギドーは聖歌隊に「聖ヨハネ賛歌」に指導を行っていました。もともとは修道士だったギドーは、聖歌隊が歌を暗記するのに苦労しているのを見て、音楽を覚えやすくする方法を考え始めました。
「聖ヨハネ賛歌」という讃美歌は、各節が一音階ずつ上がっていきます。そのため、各節の始まりの歌詞の頭文字を「Ut Re Mi Fa Sol La」と決めました。
聖ヨハネ賛歌の歌詞(ラテン語)
Ut queant laxis
resonare fibris
Mira gestorum
famili tuorum
Solve Polluti
labii reatum
Sancte Johannes
さらに、五線紙の原型である四線上に音符を並べる記譜法を考え付き、音や歌を「記録」できる方法を編み出したのです。
後の17世紀頃、「Ut(ウト)」が発音しにくいことから、「主」を示すDominusの「Do」に変更され、さらに「聖ヨハネ賛歌」の最後の歌詞から「Si」が追加され、現在の7音階になりました。
「ドはドーナツのド、レはレモンのレ、ミはみんなのミ…」と、何気なく歌ってきたドレミの音階ですが、空間を漂うだけだった音楽を視覚で理解し、伝える手法が築かれなければ、現在のように音楽が普及することはなかったかもしれません。
音階や楽譜の始まりの日である「ドレミの日」。音楽文化の礎を築いた中世のイタリア人と、それを脈々と受け継ぎ豊かにしてきた多くの人々に感謝をしたい日です。
外山

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第540回 最強かつ最悪の薬物とは

2024年06月16日

薬物には多くの種類が存在していますが、何が最強で最悪の薬物だと思いますか。

異議留守の精神科医で薬物研究の専門家デビッド・ジョン・ナットは薬物の有害ランキングを発表しました。その結果1位は「酒(アルコール)」です。

なぜアルコールがヘロインやコカインなどよりも高い結果となったかは、このランキングは「他者への害」と「自分への害」の総合によるものだからです。なので「自分への害」だけで見ればヘロインやクラック(コカイン)の方が大きくなります。つまりアルコールは他の薬物に比べて「他者への害」が大きいということです。例としては酔うことでのトラブル・飲酒運転など色々あります。

薬物は意外にも「他者への害は」低い結果となっているのは、そもそも薬物の効果は短いことが多く、また一人で楽しむ事も多いためそこまで周囲とトラブルにならないからです。

また皆さんは薬物依存者というとどんな性活をしているとイメージしますか。ダラダラしている人だと思いますか。実際、薬物依存者は一見真面目に働いている人も多いそうです。理由として薬物は高価なものが多いのである程度仕事をしていないと購入できないからです。

酒やタバコはタの薬物と違って合法だと言う人もいると思いますが、その理由は「すでに多数が使用しており禁止が難しいから」です。

さらに「合法=安全」とは限りません。このランキングでは大麻は「自分への害」では酒やタバコよりも害が少ないとされています。

薬物は間違いなく危険であるのは疑いようがない事実です。一度やったらそう簡単に辞めることができず、生活に中心が薬物になります。心はもちろん体にも悪影響があるので病気や早死にするリスクも跳ね上がります。またお金も掛かるので売人に絞られ続けるしかありません。

何より違法なために誰にも相談することができないので、一人でどんどん苦しんでいくことになります。もし選べるなら間違いなくやるべきものではありません。

酒やタバコは物質的には大差はありません。薬物との違いは合法であるため周囲に救いを求めやすいと言うだけです。

なので、酒やタバコも合法だから大丈夫ではなく常に自分が依存していないかを気を付けて使っていくことが大切です。

福田

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第539回 身心 手仕事は傷心を癒すもの

2024年06月11日

心と体は常につながっているものです。心が乱れているとそれが体にも表れてくるという事です。

気になることがあると人はついその事ばかり考えてしまいます。何か気に入らない出来事がありイライラしてしまうと一日を無駄にしてしまうこともあります。

禅では心を整えるためにまず身を整える事から始めます。坐禅はその代表的な作法の1つです。

イライラを消そうとしてそれに執着してしまうと余計に心が乱れる事になります。

それを断ち切るには姿勢を整えて呼吸を整えて坐る。禅ではイライラとやり取りを取り交わすこと自体ををやめる事です。

 

これは坐禅のみが有効という訳ではなく、体が静まれば心も静まることを心得ていれば、それがどのようなものでも問題ないのだと思います。

失恋した心を癒すために無心に仕事に打ち込む人、部屋の掃除をしてすっきりする人、窮地に立たされたとき素数を数えて落ち着くプッチ神父など、禅と言うのは日常に溶け込んでいるのがよく分かります。

心という目に見えないものを整えるにはまず意識を目に向ける事です。

藤浪

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第538回 名利共に休す 

2024年06月02日

勝ち負けの世界では勝てば名声や富が手に入り誇らしい気持ちになれます。

しかしそれは心の中でちょっと得した気分になれたと思うくらいにとどめていた方が良い。

 

「名利ともに休す」の名利とは名聞利養の略であり、名聞とは名誉が世間に広がる事、利養とは財を追い求める事となります。

これをともに休すとは名声や利得にとらわれない心を持つという意味になります。名声や富を手に入れると、人は傲慢に振舞いがちになります。一時であれば周囲に人が集まりますが、世間での名声や経済的な富は永遠には続きません。

 

戦国時代から安土桃山時代にわび茶の完成者として知られ、茶聖とも称されている本名を田中与四郎という茶人がいます。

彼はお金や名誉のためではなく、純粋に「茶の心」を追い求めるという決意が表れのように晩年に名前を「名利共に休す」から由来して千利休に変えたという逸話もあります。

 

何かあればいとも簡単に消えてしまうものに執着せず、本当の豊かさとは何かと考えさせてくれる言葉になります。

藤浪

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