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第337回 囲師必闕(囲師には必ず闕く)

2020年01月19日

囲師必闕(囲師には必ず闕く)」とは、孫子が唱える戦いで勝つための兵法の鉄則一つです。敵を包囲したら逃げ道を断たないことが重要であるとしています。「背水の陣」のように相手に逃げ道がなければ、「窮鼠猫を嚙む」の状態で必死に立ち向かってきて、勝ったとしても被害は甚大なものになるかもしれません。

あえて、敵に対して逃げ道を作り、逃げやすくすることで、戦わずして勝つことが可能になるわけです。

現代のビジネスにおいて「囲師必闕」を考えて見るなら、ライバル会社の話というよりも、自社内の社員に対して負荷を掛け過ぎるあまり、逃げ道のない状態にしているケースに当てはまりそうです。社員をトコトンまで追い込み成長させていくような時代では最早ありません。大切な人材を死に追いやったり、社員が労基署に駆け込んだりといったことにならないよう、「囲師必闕」状態を常に意識しておきましょう。

仕事柄、多くの会社のお話を伺いますが、社員の資質に頼っている会社ほど、案外、社員を大切にしていないものです。御社は大切な社員を「囲師必闕」の状態にしていませんか?

新美

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第336回 子供同士のケンカには親は介入しない

2020年01月13日

基本的に、子供は他の子とケンカするものです。逆に、ケンカしない方がおかしいです。

ケンカをすることで対人関係を学び、自分の主張と相手の主張があるということを実体験として学ぶのです。子供のケンカには、親は介入しないことが大切です。

ケンカが始まって、ケンカが収束し仲直りする、もしくは絶交するまでの一部始終を、子供自身が体験しておく必要があるからです。そうすると、子供はケンカして絶交することがどんなにつらいことかを学び、ケンカした後に仲直りする方法も学ぶことができます。

また、一度絶交しても、謝ると許してもらえる場合があるということも学ぶことができます。

そして、争いのまとめ方や争いの避け方、ケンカをしていい時としない方がいい時なども、子供なりに学んでいくものなのです。

そのため、できるだけケンカの一部始終を子ども自身に体験させることが重要です。

ただし、生死に関わるケンカや、刃物や武器を持ち出してきたりして、非常に危険な状態になった時は、親が必ず止めなければいけません。それはいくらなんでも行き過ぎの状態です。

幼少時の多少の叩き合いや文句の言い合いくらいは、じっと見守ってあげるといいのですが、大きくなって、相手に大怪我をさせるような状態になってきているのであれば、 本当に危険な時は、親の介入も必要です。

寺澤

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第335回 箱根駅伝

2020年01月05日

明けましておめでとうございます。

毎年正月は箱根駅伝を見るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

わたしも今年はこたつでみかんを食べながら、箱根駅伝を見ました。

箱根駅伝は正月の風物詩となっていますが、昔は2月に行われていました。

第一回目は100年前の1920年2月14日でした。(今年は96回目でした。)

当時はアメリカ大陸の縦断を実施するための代表選考会という位置づけでした。

江戸時代の東海道を通る飛脚制度をまねて、手紙に見立てたタスキを東京から箱根まで届けるイベントだという説もあります。

また、この時期に箱根に観光客を呼び込むためのイベントだったという説もあります。

駅伝が開始された当時は東海道には電灯などはありませんでした。

東海道沿いの周辺の住民が「ランナーが暗い中迷わないように」と、たいまつを持って応援したりしていたそうです。

学生の本分は学業ということで土曜の授業が終わった午後1時からの出発だったため、往路最後の5区は真っ暗だったようです。

正月に行われるようになった理由は、学生が休暇中ということと、大規模な道路封鎖に適した時期だからだということです。

 

令和最初の箱根駅伝は記録ラッシュに沸きました。

青山学院大学の総合優勝タイム、往路と東海大学の復路も大会新記録。

10区間中7区間で新記録が出ました。

今回の好タイム続出の要因は天候に恵まれたことや、選手の実力が上がったこともあると思いますが、気になったのは多くの選手が履いていたナイキのピンクの厚底シューズです。

10区を除く区間賞と新記録はナイキの厚底シューズを履いていたそうです。

そして参加した選手210人中178人、84.7%の選手がナイキを履いて出走しました。箱根駅伝ランナーのナイキのシェア率は前々回27.6%、前回41.3%ですので倍増しています。

そのナイキの厚底シューズとは「ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」。価格は税込みで30250円です。

速さの秘密は厚底に入っているカーボンプレートにあります。着地時に前足部がググッと曲がって、もとのかたちに戻るときに、グンッと前に進みます。衝撃も少なく、足へのダメージが減ったので終盤のスピードアップを可能にしています。

しかしこのシューズを履けば誰でも同じ効果があるというわけではありません。

厚底シューズの効果を引き出すには正確に着地することです。しっかりと地面をとらえて自分の体重を乗せることが出来れば、カーボンがそれに反発して自然と前に跳んでいくことができます。軸がぶれないような走り方ができれば、まさに「夢のシューズ」となるでしょう。

2020年は東京オリンピックの年。ナイキのシューズを履くランナーはさらに増えると思います。

現在はナイキの一強となっていますが、他シューズメーカーの開発も期待したいです。

櫃田

 

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第334回 世界が注目する日本の「もったいない」精神

2019年12月22日

私たちが普段生活するうえで、当たり前のように使われている言葉のひとつに「もったいない」という言葉があります。食べ物を残す場面、使えるモノを捨てなければいけない場面で「もったいない」と惜しみ嘆く方は多いのではないでしょうか。日本では古くから当たり前のように存在していた言葉が世界に注目されています。

日本の誇りである「もったいない」とは仏教用語に由来する言葉であり、モノのもつ本来の価値を無くしてしまうことが惜しいという意味です。だからこそ、モノの形が残っている限りは最後まで使いつくすことを大切にしようという精神が生まれたとされています。

日本人は古くから「もったいない」精神で様々な工夫をしながらモノを大切に長く使用してきました。

「もったいない」は世界に広がりつつある

地球の資源が限られていると知られている現在、モノを大切に使う文化が世界中にないわけではありません。しかし、世界には「もったいない」を表す言葉が他にないとされています。

「もったいない」という一言には「モノをムダにしないこと、大切に使うこと」など地球の資源を大切に使わなければならないという意味が含まれており、そのことをきちんと伝えるためにも世界中に「もったいない」を広めようという活動がされています。

本田

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第333回 人に致して人に致されず――主導権を握ることが、戦略の鍵

2019年12月15日

人に致して人に致されず、とは、分かりにくい表現だが、致すという言葉を「自分の思うように動かす」と理解すればよい。「人に致す」とは、他人を自分の思うように動かす、誘導する、ということである。だから、「人に致される」とは、他人の思うように自分が動かされてしまうこと、となる。

とはいえ、「思うように人を動かす」といっても、完全に自由自在に他人を動かすことなど、催眠術でもない限り、無理だろう。しかし、相手の思うようにはさせない、自分に有利なように戦場での動きを導こうとすることならば、ある程度できるであろう。

それは、戦の場での主導権をとる、ということである。主導権を握るとは、自分が書いたシナリオに沿うように相手の行動を導くことだからである。また、相手のシナリオ通りには動かずに済むようにする、ということでもある。

この言葉は、主導権を握ることが戦略の最重要ポイントだ、と孫子がいいたいからであろう。虚実の展開を考える必要がある最大の理由は、戦場での主導権を握り、その結果として戦さの形勢を自分に有利なようにもっていきたいから、ということである。

ビジネスの世界の戦略でも、競争相手に主導権を握られるのと、こちらが主導権をもつのとでは、結果に大きな違いが出る。 新美

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第332回 立ったまま考える人は決断力と行動力がある

2019年12月08日

物事を立ったまま考えている人を見かけることがあります。何だかせわしない感じもしますが、概して、座って考える人よりも決断力と行動力があります。

 

立ったままの人と座ったままの人に意思決定してもらう実験をおこないました。

その結果、立ったままの人が、座ったままの人よりも、33%も早く決断していることが分かりました。

このような実験結果からも裏付けられているように、立ったまま考える人は決断力があるということなのです。

また、決断力があると行動も早くなりますので、自然と行動力も付いてきます。

したがって、立ったまま考えている人を見つけたら、「この人は決断力と行動力を兼ね備えた人だな」と判断するといいのです。

彼らは、立ったまま考える方が決断が早くなることを知っていて、その方がやりやすいからです。

逆に、座ったまま考える人は決断は遅くなりますが、熟慮することができるので、慎重かつ完全性の高い決断をすることができます。

そのため、早く決断しないといけない事柄は、立って考える人に依頼し、熟慮が必要な事柄は、座って考えるタイプの人に依頼するといいでしょう。 寺澤

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第331回 師走

2019年12月01日

12月に入り、今年もあとわずかとなりました。

今年はどんな年だったでしょうか。

来年はどんな年にしたいですか?

今月は今年一年を振り返り、来年の目標を立てたいものです。

12月は師走と言われるように忙しくなります。

この師走というのはどのような意味があるのでしょうか。

師走は「しわす」または「しはす」と読みます。

もともと師走は旧暦の12月のことを指していましたが、現在の新暦でも12月のことを表す言葉として使われています。

由来についてはいろんな説があるそうです。

説① 師(僧侶)が走る。

僧侶とはお坊さんのことで、日本には昔から年末はお坊さんが各家庭に呼ばれてお経を唱えるという習慣がありました。

そのため、年末が近づくとあちこちからお経を頼まれるお坊さんは、東西を行ったり来たりと大忙しになります。

その様子を見て、師が馳せる月と解釈する「師馳す」が語源になっている説です。

説② 年果つ説

12月は一年が終わる月ということから、四季が終わる月ということから、四季が終わる・年が終わるという意味で、年が果てる→年果つ(としかつ)が変化し、としかつ→としはす→しはす→しわす、となったと言われる説です。

説③ 当て字説

日本書紀や万葉集などの書物には、十二月(十有二月)をしわすと呼んでいたとされる記述が残っています。

これがやがて、師走に充てられたという説です。

 

師走はクリスマスや年末年始の準備や大掃除で忙しい人も多いですし、気持ちもあわただしくなります。

寒さも厳しくなるので体調を崩しやすくなりますが、冬の寒さに負けないよう体調管理をしっかりとして、良い一年のスタートを切りましょう。

櫃田

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第330回 譲り合い、互譲の精神

2019年11月24日

 

  1. 日本人の美徳「譲り合い、互譲の精神」

「強きを挫いて、弱きを助ける」

昔は良くこのように諭されたものです。

子供、

お年寄り、

女性、

弱い立場の人・・・・・

片や、

理不尽な権力者、

弱い者いじめをする奴、

他人に迷惑を掛ける者・・・・・

「長いものには巻かれろ」などと言うように強いもの、権力にはなかなか逆らいにくいものです。

ですが、命を脅かすもの、人権や尊厳を蔑ろにするものには力を合わせてでも抵抗、戦わないといけませんよね。

昔から、日本人の美徳を語られますが、その一つが「譲り合い、互譲の精神」と言われます。

それは世界中どこでも同じじゃないかと言われそうですが、日常ではそうなんです。

極端な恐怖政治や抑圧された状態もそうですが、自分の命や尊厳が正常に保たれている世の中、公平さや民主が保たれている社会では本来の国民性は表面化しませんが、一旦緩急あった時に表面化してくるものです。

震災で、日本人の際立った行動が注目を集めていること。

それが「譲り合い、互譲の精神」ですよね。

端的に言えば「この落ち着きは何処から来るのか」でしょうか。

同じ日本国民として見ていても不思議な感じですよね。

多分、DNA的に備わっているのでしょうね

また、内面的にも強いのでしょうか。

昔から、災害と戦ってきた国という見方もあるのでしょうが、宗教的なこと、道徳面でも裏打ちされたものがあるものと思われます。

「自分の主張をはっきり言わない」

「何を考えているかわからない」なども「譲り合い、互譲の精神」の表れかもしれませんし、

片や、「纏まる、集団になると力を発揮する」等は悪い意味で使われますがこれもそうかもしれませんね。

ですが、例えそうであっても誰がどう言おうと大事にしたいものです。

「譲り合い、互譲の精神」

相手の立場を尊重することにも繋がるのですから。

救援物資の不足にも関わらず、慌てず騒がず、落ち着き払った日本人。

背負いきれない過度の悲しみや苦しみに遭遇しても、自らの利益のみを尊重せず「譲り合い、互譲の精神」。

やせ我慢でなく、心の底から意識することなく滲み出る「譲り合い、互譲の精神」

いつまでも大切にしたいものですね。

本田

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第329回 善く戦うものは人を致して人に致されず

2019年11月17日

この言葉は、「孫子の兵法」に出てくる一節です。なにごとも主導権を取ることが大切で、そうすれば自分が人を動かせる立場になれるが、反対に相手に主導権を握られると相手に振り回されてしまう、ということです。

孫子は戦争の戦い方を説いた戦略書ですが、戦わずして勝つことを旨としています。つまり平和主義の戦略書なのです。この考え方は、現在でもスポーツなどの勝負ごと、優勝劣敗のビジネスにも応用できることがたくさんあると思います。そして、個人の働き方や人生においても有意義な示唆を与えてくれます。

仕事には説得、商談、折衝、調整など、利害や物事の成否を分けるが交渉ごとがあります。交渉で良い結果を得るためには、事前に有利な状況を築いておいて、自分が主導権を握り、相手の弱みを突き、有利な条件を引き出すことが肝要です。主導権を維持しながらも、勝ちを急がず余裕を持って待つこと、これも大きな実りを手にする秘訣と言えるでしょう。

ビジネスの世界では、好機到来にしっかり備え、ここぞという時には俊敏な動きでチャンスを手に入れることが重要です。新しい事業を進める際には、準備段階で悲観的に考えリスクを洗い出し、何通りものシナリオを準備する。いざ行動に移すときは楽観的に迷いなく一気呵成にやり遂げる。

そこで優位なポジションを築き、さらに次の手を繰り出し、ステップアップして行く。これが事業成功の要諦です。

新美

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第328回 割れ窓理論

2019年11月10日

この理論は、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した理論ですが、

「窓が割れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、他の窓も全て壊される結果となる」という考え方です。

実際に、この割れ窓理論を使って、ニューヨークで犯罪を激減させたという実績があるため、効果は保証されています。

窓が割れていたり、ゴミが捨てられてあったり、壁に落書きがあったりしても、普通はあまり気に留めませんが、実は、このような簡単な兆しを取り除くことによって、犯罪を激減させることができるのです。

この状態を放置しておくと、次第に多くの窓が割られ、ゴミが捨てられ、壁の落書きも増えていきますし、それにつれて犯罪しやすい雰囲気が作られていきます。

そして、結果的には、犯罪多発地域となってしまい、非常に治安の悪い状態になってしまうのです。

 

では、この割れ窓理論を仕事・職場に置き換えるとどうでしょうか。

ポイントは、悪い芽は小さな段階から摘み取っておくということです。

あなたの会社内に、喫煙後のポイ捨てやごみの散らかり、軽微なルール違反行為などがあれば、厳しく取り締まっていくとよいのです。

小さな違反行為を早いうちに取り締まっておくことで、社内の雰囲気やモラルが大きく低下することを未然に防ぐことができるというわけです。あなたの周囲を見渡してみてください。部下が、小さなルール違反をおかしていませんか。

部屋が汚れていたり、仕事道具をほったらかしにしていたり、手入れを怠っていたりしないでしょうか。このようなことは、軽微なことなので放置してしまいがちですが、実は、後に社風を乱したり、仕事上で重大な失敗につながったりする重要なことであったりするのです。したがって、もう一度あなたの会社の状態を再確認し、軽微なことを注意するようにしてみてください。

まさに、平凡なことこそ徹底しないといけないという、凡事徹底の精神です。

寺澤

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