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第518回 薫習 目に見えない香りのごとく知らずのうちに染みつくもの

2023年11月12日

最近は気温が下がり衣替えの季節になってきました。

いざ冬服を出してみると、香りというのは目には見えないのに不思議と感じることができ、長期間タンスにしまっていた為に防虫剤や木の香りが衣類に移ってるなんてことがあると思います。

 

人もこれに同じように、いつもそばにいる人の影響を受けていくものです。これを薫習と言います。

よい香りの中にいれば、気づかないうちによい香りが自分の体に染みついてしまうように、「優れた人の近くにいると、知らないうちに、自分も優れた人になれる」という意味の言葉です。

 

いつもそばにいる人というのは、職場に行けば仕事仲間がいますし、家に帰ってくれば家族がいます。はたまた、いつも連絡を取っている友達や昨今ではいつも見ているSNSのユーザー、Youtuberにだって影響されているかもしれません。

知らず知らずのうちにそばにいる人の影響を受けるのであれば、自分が尊敬できる人の側にいるのがいいですね。

 

また人の思考や行動は、知らず知らず、習慣となって心の奥底まで影響を与えると言います。

自らの考えや行いはそれがなくなった後でも、心の中に染みついてしまい習慣として残ります。

普段どんなふうに考えてどんなふうに行動するかがいつのまにか、心の習慣として確立されてしまい、それがよくも悪くも心に影響を及ぼしてしまう。これも薫習と言えるでしょう。

 

以前「人は習慣が10割」という本もご紹介しましたが、潜在意識に刷り込まれた情報はやがて行動や言葉、表情などに現れてきます。潜在意識によって生み出されたのが「習慣」となって出てきます。

 

一緒にいるだけで、なんとなく明るい気分になる人。元気をくれる人、安心感をくれる人。そのような思考や行動が作りあげた習慣が、匂いのようにその人の周りにも漂うのではないでしょうか?

 

よい香りを放つ人になりたいものです。

 

藤浪

 

 

 

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第517回 一箇半箇 得難い友人を大切に

2023年11月05日

現在ではSNSなどで情報があふれており「拡散希望!!」などのフレーズをよく聞くことがあると思いますが、一箇半箇の教えというのはこの真逆の事を表しています。

 

この禅語は曹洞宗の宗祖である道元禅師が天童如浄禅師から教示された言葉であり、数の問題ではなく極めて

少数希少で得難い人物の事を指しています。

誰かれ構わず大勢の人に伝えるのではなく、たとえ一人でもいいから正しく伝えるという教えになります。

 

自分たちの投稿の「いいね」の多さにいつも一喜一憂していることがあるかもしれませんが「一箇半箇」の教えを思い出せば、無理をしてまで人間関係を広げる必要が無いとわかると思います。

 

多くの友人を持つより、本当に思いやれる友人が一人、二人でもいるのであれば充分。自分の意図しない内容が多くの人に伝わってしまうのであれば、少なくても正確に伝わることが大切なのではないかと気づかせてくれるような言葉だと思います。

 

藤浪

 

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第516回 霜降

2023年10月22日

「霜降」は二十四節気のひとつで、「そうこう」と読みます。
「霜降」とは、霜(しも)が降りる頃という意味です。この時期になると気温がぐっと下がり、空気中の水分が凍って草木の表面や地面につくと霜になります。このひとつ前の節気は「寒露(かんろ)」で、寒くても凍っていない露(つゆ)でしたが、霜降では凍って霜になるのです。
2023年の「霜降」は、10月24日から11月7日です。霜降は二十四節気のひとつで、毎年10月23日頃~11月6日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は季節の移り変わりを知るために、1年を約15日間ごとに24に分けたものですが、太陽の動きに合わせて1年を24等分して決めるので一定ではなく、1日程度前後することがあるからです。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、霜降の間にこのように移り変わります。
※日付は、2023年の日付です。
■初侯:霜始降(しもはじめてふる)10月24日頃
山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。 俳句では「初霜」は冬の季語になっています。
■次侯:霎時施(こさめときどきふる)10月29日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」をしぐれと読むこともあります。ひと雨ごとに気温が下がっていきます。
■末侯:楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月3日頃
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です。 俳句の季語には、「薄紅葉」や「初紅葉」など、色づきはじめた情景巧みに捉えた言葉があります。
霜降の次の節気は「立冬」で、暦の上では冬に入ります。残り少ない秋に意識を向けて、旬の味覚を堪能しておくとよいでしょう。秋の味覚はたくさんありますが、なかでも秋鮭は、産卵のために川に戻ってくるのでさっぱりとした味わいで人気があります。また、りんごは霜降の頃から収穫が始まるものが多く、柿は出荷の最盛期を迎えます。店頭で見かけたら旬を味わってみてはいかがでしょうか。
外山

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第515回 ジャネの法則

2023年10月15日

年と共に時間の経過が早くなるというのは誰もが持つ感覚だそうです。

これは「ジャネの法則」と呼ばれています。フランスの哲学者ポール・ジャネが「時間の感じ方は年齢に反比例する」と発言しています。例としては3歳児の子供にとっての一年は人生の3分の1なのに対し、10歳なら1年は人生の10分の1となるわけです。人生全体から考えると同じ長さが短く感じられるわけです。

実際に子供の頃は一日が長く、老人になると短く感じられるものです。

もちろん1つの説なので絶対に正しいと言うわけではありません。ただ感じ方以前に高齢になるほど肉体も脳も衰えます。すると若いときほどフルに活動しづらくなりますので人生の絶対時間も減る可能性があります。加えて認知症になったりしたら認識すらあいまいになってしまいます。

時間は光のように過ぎ去っていくものです。よってその時間を濃密に過ごしさらに認知症になりづらくなる決定的な方法を試す必要があります。

その方法は自分も早く生きることです。アメリカのオレゴン健康科学大学が65歳以上の人を対象にして研究をしたことがあります。歩く速度が遅い人は高確率で認知症になると判明しています。特に認知症になる人は12年も前から歩行が遅くなるそうで、歩く速度だけで認知症になるかを見分けることができます。もちろん認知症だけでなく鬱になるほど動作は全体的に遅くなるものです。

余って重要なのは動作を速くすることです。例えば10秒だけでも良いので早歩きしてみたり、いつもより早く着替えてみたりするなど意識してやってみると良いでしょう。

またやる気が湧かないときは指など体の一部だけでも早く動かしてみるのも有効です。それだけでも気持ちは上がります。

福田

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第514回 前後際断 昨日は昨日 明日は明日

2023年10月09日

私たちは過去、現在、未来という時間の流れの中で生活しています。

しかし、たった今生きている生きている現在は「後」の過去や「前」の未来ではありません。これを前後際断と言います。

道元禅師はこの言葉を薪と灰に例えて説明しています。薪は燃えれば灰になりますが、灰になれば薪に戻ることはない。

薪は灰の前の姿でもないし、灰は薪の後の姿でもない。薪は薪であり、灰は灰であってどちらも独立している。

つまり繋がっているように見えていてもそれぞれは前後で切り離されているという事です。

このことから過去にとらわれていたり、また無闇に未来に不安を抱えることは無いという事が分かります。もし過去に失敗があったとしてそれを引きづって今日を生きるのか、過去は過去として内省し、今を毅然と生きるのかが大切なのではないでしょうか。

 

藤浪

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第513回 冷暖自知 何事も自分で経験して初めてわかるもの

2023年10月01日

器に入っている水は見ているだけでは冷たいのか暖かいのか分かりません。

実際に飲んでみるか、または器に手を入れてみて初めてどのくらい暖かいのか冷たいのかが分かります。

それが「冷暖自知」という言葉で、何事も教えられるものではなく自分で体感するものだという意味です。

現代社会において様々な情報があふれている中でスマホやパソコンを少し弾けばいくらでも知識を得た気持ちになってしまいます。

しかし、いくら情報を集めても本当に理解しているかという事は別物になります。

気になる飲食店があったとして、いくらサイトで高い評価や多くの人の口コミが良かったとしても、自分にとっては食べに行くと不味いかもしれない。反対に不味いと言われているお店の方が、美味しいと思うかもしれない。

このサイトに載っている情報というのは、「美味しいと言われているお店」というだけで、実際に食べてみて初めて「美味しいお店」になるという事です。

実際に体感することで経験を積み重ねていき、自分にとって何が正しいのかを判断及び行動が出来るようにしていくことが大切だという事です。

 

藤浪

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第512回 (旧)介護の日

2023年09月24日

9/25は、「がんばらない介護生活を考える会」が2005年(平成17年)に制定。一方、厚生労働省では2008年11月11日に「11月11日」を「介護の日」と制定したため、同団体でも「介護の日」を11月11日に変更しています。
超高齢化社会である現在、高齢者の増加とともに介護を必要とする方も増加しています。このような状況もあり、近年では介護も身近になりつつあります。そんな今だからこそ、より多くの人々が介護について考え、関わっていくことが重要になってきます。
しかしこれまで介護に携わることがなく、介護に携わる方も近くに居ない場合、介護の知識や情報はあまり持っていないことがほとんどです。そこで厚生労働省は、介護に携わる方だけでなく一般の方々にも介護に関する知識や理解、認識を深めてもらいたいという思いから「介護の日」を制定しました。
「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」の「いい日、いい日(11月11日)」にかけた覚えやすく親しみのある語呂合わせとなりました。
毎年11月11日「介護の日」の前後2週間は、介護に関するイベントが多く開催されているそうです。
知らなかった介護の知識や技術について学べるほか、今後の介護について考えるきっかけにも繋がるのではないでしょうか。
また、「介護の日」の目的である「一般の方々にも介護に関する理解や認識を深めてもらう」ということを広げるためにも、誰でも参加できるイベントであれば、友人や家族を誘って一緒に行ってみるのもいいのではないでしょうか。
外山

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第511回 サウナと冷水浴の健康効果

2023年09月17日

フィンランドで23000人を対象にした調査でサウナをよく利用する人は認知症やアルツハイマー病のリスクが65%も減ったという結果が出ています。

その理由としては熱気にあると考えられています。

心理学的に「棚上げの技術」と言うものがあります。これは悩みや心配をいったん棚に上げるように忘れることを指します。悩みには解決できなかったり、考えるだけ無駄なものもあります。

こんな時はいったん考えるのを忘れて時間を経たせれば、思考が整理されたりテンションが戻ったりして前向きに考えることができます。

でもそんなに簡単にできるのかと考えると思います。

そこでサウナです。高温と熱気は生命にとって何より異常な緊急事態です。よってその状況が優先されて悩みが棚上げされるのです。

さらに多くの人はサウナの後に冷水浴をすると思います。これも熱気と同様に死に繋がりかねない緊急事態なので、この時にも悩みが棚上げされます。

ただ実際に入ってみると、熱を逃がさないように表面の血管が引き締まり魔法瓶のように熱がこもります。さらに水風呂をでた後に休憩すると放熱しにくい状況が続きポカポカした感覚を得られます。これらを1~3セット行うことでよりその感覚が強く感じられます。これを「ととのう」と呼んだりされています。

これは熱気と冷感という異常事態に対してイヤでも身体感覚に集中している状態になるので一種のマインドフルネス状態になっているとも言えます。

ですがそんなに頻繁にサウナに通うことはできない人もいると思います。

なので普段の入浴で応用する方法を試して見るのをオススメします。それは冷水シャワーです。お風呂上がりに数十秒でいいので、冷水を浴びて見てください。

実際イギリス研究者のリンゼイ・ボムスらは3000人を対象として温水シャワーを浴びるだけと温水シャワー後に30秒間冷水シャワーを浴びるグループに分けて調査をしました。すると冷水シャワーを浴びていた人は体調不良の日数が29%減少していたそうです。

ちなみに冷水シャワーを浴びる時間を30・60・90秒と変えても評価に変化はなかったそうです。なので30秒だけでも冷水シャワーを浴びることが重要になります。

そしてアメリカのバージニア・コモンウェルス大学医学部の調査で鬱の症状が軽くなるという結果も出ています。

「お風呂+冷水シャワー」はプチ「サウナ+冷水浴」とも言えるオススメの習慣なので鬱軽減などの健康維持のためにもやってみてください。

福田

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第510回 無功徳 見返りを求めてはいけない

2023年09月10日

無功徳とはダルマさんの愛称で知られている達磨大師が禅を中国に伝えた時の話です。当時の中国の権威である武帝は仏教への信仰が厚く、大奥の寺を建立して仏心天子と世間から呼ばれるほどでした。

武帝は「私は即位以来、寺を造り、経を写し、僧を沢山作り上げてきた。この私にはどのような功徳があるのでしょうか。」
達磨大師は「無功徳」、たったそれだけです。
何のご利益もありませんよの一言で済んでしまいました。見返りを求めるのは、あれもこれもしたと頑張ったのに認めてもらえないのだと感情が湧いてしまい心が荒んでしまいます。達磨大師はそこを武帝に諭したのです。

 

私たちは1つの行為対して効果がはっきりと現れなくては無駄な行為だと考えてしまいます。

物の受け渡しなどはあげたらそれで終わりだと考えて、お返しが来たらそれはそれでありがたいと考えることです。

打算的な行為ではなく純粋な人間性の心情から出る行為、これが仏の慈悲というものであるのだということです。

 

藤浪

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第509回 自然淘汰 適応力の差は突然変異によって生み出される

2023年09月04日

自然淘汰とはダーウィンが進化論にて提唱しているものではありますが、自然界の壮大な現象だけでなく我々の生活にも及んでいると解釈できることがあるという事なので紹介します。

まずダーウィンが提唱した自然淘汰とは、3つの要因があります。

 

・生物の個体には同じ種に属していても、様々な変異が見られる。(突然変異)

・変異の中には親から子に伝えられるものがある(遺伝)

・また変異の中には自身の生存や繁殖に有利な差を与えるものがある(自然選択)

 

自然界には葉や花に見える昆虫や砂の色と変わらないようなトカゲなどがいることについて、これらの生物は花や葉や砂の色になろうとして進化したわけではなく、突然変異によって偶然に手に入れたものであるというのはにわかには信じられないことです。

しかし、ダーウィンが考えたことは突然変異によってもたらすことが生存または繁殖に有利、不利の差はまんべんなく与えられ、その中で不利なものについては自然淘汰されたため有利なものが現在まで生き残っているという事です。つまり最初化から保護色を使った生き物がいたわけではなく、突然変異によって赤や緑などの目立った色の個体も現れたはずですが、目立つ色は天敵に狙われやすいため次世代に遺伝される前に淘汰されてしまったという事です。

 

これが我々の生活の及んでいるとはどのようなことでしょうか。

先にダーウィンは適応力の差は突然変異よって生み出されると説明しました。

これを簡単にすると、生き残る力(適応力の差)はエラー(突然変異)によって生み出されるという事です。自分たちは基本的にエラーというとネガティブなこととして取り除こうと考えがちです。しかし自然淘汰の考えではエラーが必須であり、その中でポジティブなものをが起こることによってシステムの向上が図れるという事です。

 

その一例にアリ塚が挙げられます。働きアリは外でエサを見つけると、フェロモンを出しながら巣まで帰って応援を呼び仲間はそのフェロモンを辿ってエサを運搬するという仕組みになっています。ある大学ではこのフェロモンの辿る正確さと時間内に持ち帰れるエサの量の関係をコンピュータシミュレーションで分析する研究が行われていました。

まず最初のアリがエサを見つけてフェロモンを出しながら巣に帰ってきます。次にアリ集団にフェロモンを100%で辿れる完璧アリと一定の確率で間違えてしまうエラーアリを設定して、そのアリの混合率の違いで効率がどう変化したか調べました。

予想としては正確にたどれる完璧アリのみを入れることが最効率と思われたが、エラーアリがある程度存在したほうが中長期的に見れば高くなるという結果となりました。なぜこうなったかというと、最初のアリが帰巣するまでののルートが最短ではなかった場合、エラーアリが何度か道を間違えることで最短ルートが発見される。ほかのアリもそれを使うことで、短期的には非効率だが長期的には高効率になるという事になるのです。

 

このエラーによってシステムの向上が図れるという現象を自分たちの社会にも当てはめる。つまりは組織や会社運営に関してもすべて自分の意図で計画するより、あえてエラーが起こる余地ができれば私たちの生活はより豊かになるのかもしれませんね。

 

藤浪

 

 

 

 

 

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